米国の現地時間である2023年1月31日、マツダがラージ商品群SUV第2弾となる「CX-90」を北米で正式発表しました!
まずは改めてここまでの流れをおさらいすると、マツダは2021年10月に「2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画」を発表。
ラージ商品群のSUVに関しては車幅やシートの数がそれぞれ異なる4車種を導入予定と公表していましたが、今回発表された「CX-90」は北米市場をメインに見据えたワイドボディの3列シートSUVで、ラージ商品群SUVの中では最も大型なモデルとなるのがほぼ確実。
2023年に入ってすぐに順次公開されてきた真田広之さん出演のティザー映像である程度情報は公開されていましたが、ついに本日正式発表となりました。
プレゼンテーションに参加したメディアの情報によると、CX-90の開発主査はアテンザの2018年大幅商品改良モデルも担当されていた脇家満さん。
チーフデザイナーは昨日取り上げた情報通り現行CX-5のエクステリア等を担当された椿貴紀さんです。
(お二人がインタビューを受けている動画がこちら)
CX-90のコンセプトは「For the Voyage of your life(人生の航海のために)」
〇エクステリア
「アーティザンレッドプレミアムメタリック(直6 e-SKYACTIV G 3.3ターボ搭載車)」
https://www.whichcar.com.au/news/2023-mazda-cx-90-revealed-australia-confirmed
2024 Mazda CX-90 Photo Gallery
「ロジウムホワイトプレミアムメタリック(PHEVモデル)」
Mazda's all-new 2024 CX-90 is a Premium, Family-sized, and Powerful SUV - YouTube
☆CX-90のエクステリアにおけるポイント
①「アーティザンレッドプレミアムメタリック」をMAZDA6 20th Anniversary Editionに続いて設定、ラージ商品群では初採用。
②ロジウムホワイトプレミアムメタリックの車両は今回初披露されたバンパー下部やフェンダーアーチが未塗装樹脂の仕様で中間グレード相当の可能性が有力。
④ボディサイドに装着されるメッキガーニッシュの後端に"MAZDA"のロゴあり。
これまで公開されてきたティザー映像である程度エクステリアデザインが判明していましたが、フロントバンパーはCX-60の標準モデルに似たデザイン。
ただ、全長だけでなくフェンダーの張り出し幅も大きくなったことでCX-60とはかなり印象が変わりますね。
特に張り出したフェンダーは前方から見た時のスタンスの良さ(踏ん張り感)にも繋がるのでかなり好印象。
実際の使い勝手的には厳しいと思うのですが、CX-60も同じ張り出し具合のフェンダーを採用して欲しい気持ちが出てきてしまいます・・・。
そして、これまではアーティザンレッドプレミアムメタリックの車両のみ公開されてきましたが、ワールドプレミアではロジウムホワイトプレミアムメタリックの画像も初公開されました。
こちらはバンパー下部やフェンダーアーチが未塗装樹脂仕様となっているのが特徴ですが、個人的にはこちらの方がSUVらしさを感じる事に加えてFRらしい伸びやかなサイドビューを味わえそうな気も・・・。
ただ、CX-90の場合は全長も伸びているのでボディ同色でも伸びやかなサイドビューは十分味わえそうですね。
〇インテリア
「ホワイトのナッパレザー内装」
View Photos of the 2024 Mazda CX-90
https://www.whichcar.com.au/news/2023-mazda-cx-90-revealed-australia-confirmed
Mazda CX-90 2024 - Entrando en territorio premium | Primer Vistazo - YouTube
「ブラックのレザー内装」
Mazda's all-new 2024 CX-90 is a Premium, Family-sized, and Powerful SUV - YouTube
☆CX-90のインテリアにおけるポイント
①ラージ商品群初の3列シートSUV。
Car and Driverによると乗車人数はグレードによって「6人乗り」「7人乗り」「8人乗り」が用意されるとの事。
②ホワイトの内装はCX-60と同じかけ縫いや本杢目パネルを採用した"Modern"で、画像の車両はキャプテンシートの6人乗り。
③ブラックの内装はCX-60日本仕様のExclusive Sports/Exclusive Modeと同じ仕様で、画像の車両は3列目シートにヘッドレストが3つ備わっているのでウォークスルー可能な7人乗り。
④マツダ車初のデジタルインナーミラーを採用(両方の車両に装備)
⑤USB端子は3列目シート用も含めて全てTypeCを採用(赤丸部分が3列目用)
⑥オーストラリアメディア「Whitccar」は"室内照明がアップグレードされている"と明記してるものの詳細は不明。
インテリアに関しては基本的にCX-60と共通ですが、マツダ車初の「デジタルインナーミラー」が採用されているのは注目ポイント。
すでに他メーカーでは採用例が増えていましたが、3列シートSUVという事もあってマツダもついに採用したようですね・・・。
フレームレスのデジタルインナーミラーは何気にスゴイ気がするのですが他メーカーでは一般的なのでしょうか?
そしてCX-90のインテリアで個人的に気になっていたのが「エアコン操作パネル」
先週公開されたCX-90のティザー映像ではエアコンパネルが映っていたのですが、よく見るとCX-6には無いボタンがありました(矢印部分)
ワールドプレミアに合わせて公開された公式画像を見ると・・・・。
どうやらCX-60では右側にあった「リアガラス用の曇り取りボタン(黄色)」がCX-90では左側にある「フロント用の曇り取りボタン(青色)」の隣に移動。
空いたスペースは"REAR"と書いてるので後席用エアコンの操作ボタンになっているようです。
"REAR"とだけ書かれているのが3列目、"CNTRL"と書かれているのが2列目とかでしょうか・・・?
このあたりは3列シートSUVならではのボタン配置ですね。
ちなみに、北米で公開されたCX-90の内装色は以上の2種類のみですが、オーストラリアマツダがメディア向けに公開した画像の内装は「タンカラー」になっていました。
https://www.whichcar.com.au/news/2023-mazda-cx-90-revealed-australia-confirmed
現時点でオーストラリアマツダからタン内装を設定する事は正式発表されていませんが、CX-60と同様に地域やグレードによって設定される可能性がかなり高そうですね・・・。
〇パワートレイン
①:歴代のマツダ製ガソリンエンジンで最もハイスペックな直列6気筒3,300ccガソリンターボエンジン「e-SKYACTIV G 3.3 T」
(48Vマイルドハイブリッド"M-HYBRID BOOST"採用)
②北米市場向けに専用チューニングされた直列4気筒2,500ccガソリンエンジンのプラグインハイブリッド「e-SKYACTIV PHEV」
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③:オーストラリア仕様には直列6気筒3,300㏄ディーゼルターボ「e-SKYACTIV D 3.3」搭載モデルも設定、スペックはCX-60日本仕様のXD-HYBRID系モデルと同じ。
(48Vマイルドハイブリッド"M-HYBRID BOOST"採用)
既存モデルとのスペック比較。
〇直列6気筒エンジン
〇プラグインハイブリッド
☆CX-90のパワートレインにおけるポイント
③KPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)採用。
④Mi-DRIVEは「ノーマル」「スポーツ」「オフロード」「トーイング(牽引)」「EV(PHEVのみ)」を選択可能。
パワートレインに関してもある程度情報が公開されていましたが、注目はやはり直列6気筒ガソリンターボの「e-SKYACTIV G 3.3 T」でしょうか。
このエンジンはすでにCX-60オーストラリア仕様に搭載する事が発表されていましたが、CX-90では大幅にスペックUP。
一方、北米市場向けに専用チューニングする事が公表されていた「e-SKYACTIV PHEV」ですが、スペックを見る限りだとCX-60と違いは分からず・・・。
これに関してはEV航続距離や実際の走りで差が出ている可能性もあるので追ってチェックしたいところです。
そしてオーストラリア仕様では直列6気筒ディーゼル「e-SKYACTIV D 3.3」も設定。
スペックはCX-60 XD-HYBRIDと同じようですが、これまで販売されていたCX-9はディーゼルエンジン搭載モデルが無かったので、燃費性能やトーイング性能を重視するユーザーには人気を得るかもしれません。
https://www.whichcar.com.au/news/2023-mazda-cx-90-revealed-australia-confirmed
CX-90のアーキテクチャーはCX-60と同様にマツダが新開発したFRプラットフォーム「ラージ群アーキテクチャー」
こちらに関してはまだあまり情報が公開されていませんが、オーストラリアマツダはメディア向けにボディのスケルトン映像を公開。
マツダはCX-8の3列目シートでも高い衝突安全性能を確保しているので、CX-90でもそのあたりはかなり重要視していると思われます。
マツダ独自の先進安全技術i-ACTIVSENSEもCX-60と同じ「シースルービュー」や「ドライバーモニタリングシステム」などが採用されています。
あと、今回の展示車に装着されてるタイヤは「ファルケン ZIEX CT60 A/S」と「TOYO TIRE OPENCOUNTRY A50」を確認、サイズは「275/45/21」でした。
In-Depth Tour of the All-New 2024 Mazda CX-90! - YouTube
Mazda's all-new 2024 CX-90 is a Premium, Family-sized, and Powerful SUV - YouTube
気になるCX-90の車体サイズですが、現時点では発表されていないようです。
これまで販売されていた「CX-9」より大きくなる可能性が高いですが、こちらも続報を待ちたいところ・・・
参考までに既存車種の車体サイズ一覧表を貼っておきます。
〇発売時期・導入地域は?
日本のマツダ公式ニュースリリースでは「今春、米国より導入開始」と案内されています。
導入地域に関しては今回ニュースリリースを発表した「北米」「オーストラリア」だけでなく、以前から噂が出ていた「中国」にも導入する事を開発主査の脇家さんがメディアの取材で証言されています。
今春から発売開始するという事はすでに防府第2工場でも量産開始されているかもしれませんね。
ただ、オーストラリアではPHEVのみ発売開始が2024年になるという報道も出ているので、CX-60と同様にパワートレインによって発売開始時期が異なる可能性も考えられます。
今回発表された内容をとりあえずまとめてみました。
これまでチェックしたテスト車両やティザー映像を見る限りだとCX-60とあまり違いは無いのでは?という印象だったのですが、実際は車両全長とフェンダーの張り出し具合でここまで雰囲気が変わるとは思っていませんでしたね・・・。
すでにTwitter等でもかなり反響が出ていますが、確認した限りだと「日本でも販売して欲しい・・・」という声がかなり多い印象・・・。
日本や欧州向けには標準ボディの3列シートSUV「CX-80」が導入予定とすでに公表されていますが、CX-90の意匠や雰囲気をどれだけ受け継ぐのか気になるところですね。
CX-90に関してはまだ車両サイズや価格など明らかになってない部分が多くありますが、春頃から米国で発売開始される事を考えるとそれほど遠くない時期に詳細も発表されるはず・・・。
今後も引き続き情報をチェックしていきたいと思います。
マツダの関係者の皆様CX-90誕生おめでとうございます!