つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許(2023.9.10)

(画像 IP Force.jp)

今年に入ってから件数が少ない状況が続いている国内におけるマツダの特許情報ですが、今週はいくつか気になる特許出願が公開されています。

 

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

〇特許情報プラットフォーム

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

 

まずは8月に米国で公開されていた「EV専用スケーラブルアーキテクチャー」関連と思われる特許出願が今週日本でも公開されています。

「車体構造」

①:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122990

②:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122993

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

①:バッテリ保護フレームの車体への取付剛性を高めるとともに、バッテリ保護フレーム自体の剛性も高めることにある。

②:車体の下部の周辺部品を車体に対して効率よく取付可能にし、しかも高い取付剛性が得られるようにすることにある。

 

「車体前部構造」

①:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122971

②:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122972

③:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122974

④:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122976

⑤:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122978

⑥:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122978

⑦:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122986

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

①、②、⑤:電動車両において、走行用モータをできるだけ車両後方側に近づけて配設することによって衝突時のクラッシュストロークを前後方向に十分に確保しながら、衝突時における走行用モータの車室内への後退を抑制することにある。

③、④:電動車両において、走行用モータをできるだけ車両後方側に近づけて配設することによって衝突時のクラッシュストロークを前後方向に十分に確保しながら、衝突時にバッテリに衝撃荷重が作用するのを抑制することにある。

⑥:電動車両において、衝突時の衝撃荷重の吸収要件と、ステアリングホイールの向きや位置に関するレイアウト要件とを両立させることにある。

⑦:走行用モータよりも前方のクラッシュストロークの確保と、車体剛性向上とを両立させることにある。

 

「後部車体構造」

①:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122984

②:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122988

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

①、②:バッテリの搭載スペースを車両後方側へ延長してバッテリの搭載量を増加させた場合であっても、車両後方からの衝撃荷重を吸収できるようにすることにある。

 

「車体前部構造」

https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-122932

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

オフセット衝突時の衝撃吸収性を十分に確保しながら、非接触充電器のレイアウト性を向上させることにある。

米国で出願された時にも触れましたが、基本的な構造は昨年末~今年初旬に公開されていた特許出願と同様にラダーフレームのようにボディとシャシーが分離可能になっており、ボディタイプや乗車人数(シート数)は限定されていません。

そして今回の特許出願で注目なのは「非接触充電器(ワイヤレス充電器)」の採用も視野に含まれている事ですが、今後BEVが普及した場合に国や地域によって充電方法が異なる可能性があるので、マツダとしてもあらゆる選択肢を視野に入れて開発してるのでしょうね・・・。

(昨年末~今年初旬に公開された特許出願)




続いては「ドアハンドル」に関する特許出願を紹介・・・。

「車両用ドアロック装置」

※:株式会社ユーシンマツダによる共同出願

①:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-125884

②:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-125887

③:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-125889

④:https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2023-125890

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

①、②、③、④:本発明は、衝突荷重入力によるドアの変形に起因して、ラッチ解除となるのを防止し得る車両用ドアロック装置を提供することを課題とする。

題名の通りこちらはドアハンドルに関する特許ですが、既存車種と比較してみると説明図に描かれているドアハンドルはプレスラインがある事でよりシャープに見える気も・・・。

☆説明図

(画像 IP Force.jp)

☆既存車種

左:第6世代車(CX-5)、右:第7世代車(MAZDA3)画像 MAZDA

ちなみにマツダ車のドアハンドルは世代毎に全車共通の物が使用されており、ドアハンドル裏のリセス(窪み)で車種ごとの差別化が行われています。

(NDロードスター初代主査のだった山本さんもドアハンドルが全車共通である事を証言されています)

左:現行CX-5、右:NDロードスター (画像 MAZDA)

この事から今回公開された特許出願のドアハンドルが次世代のマツダ車用として検討されてる可能性があるかもしれません。

ただ、マツダはこれ以外にも格納式ドアハンドル(スポーツカー用?)に関する特許も出願しているので、まだまだ検討段階なのかもしれませんが・・・。

 

今週気になった特許出願は以上となりますが、来週以降も気になった内容を随時取り上げていきたいと思います。