つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

マツダが2030年頃までに導入するBEVは約3種類のモーターが用意される一方で小型モデルは予定なし?

EV専用スケーラブルアーキテクチャーの採用例 (画像 MAZDA)

米国メディアのインタビューで2030年頃までにBEVモデルを最大8車種の導入する事を明言したマツダの毛籠社長ですが、これ以外にもいくつか方向性を明言しているようです。

 

 

現在電動化戦略を強化しているマツダですが、毛籠社長は米国の大手自動車専門メディアAutomotive Newsのインタビューで「2030年頃までにBEVモデルを最大8車種導入する予定」と明言。

具体的な車種の数が明言されたのは今回が初だと思われますが、これ以外にも今後のBEVモデルに関する方向性を明言されたようです。

 

 

今回取り上げるのはオーストラリアの自動車メディア「CarExpert」と米国のBEV専門メディア「INSIDE EVs」の記事。

☆CarExpert

☆INSIDE EVs

Automotive Newsのインタビューは多くの自動車メディアで引用されていますが、その中でもこの2つの記事には前回取り上げてなかった内容がいくつか載っています。

(CarExpertの記事から)

Moro-san said engineers working at the e-Mazda division will likely settle on three electric motor sizes, with outputs ranging from 70 to 110kW. Single- and dual-motor layouts are also expected.

The new suite of electric cars will reportedly concentrate on crossovers.

Moro-san said there likely won’t be any small cars because batteries for those segments are too expensive.

毛籠さんによると11月に新設された電動化事業本部(e-MAZDA)のエンジニアは、70kWから110kWまでの出力で電気モーターのサイズを3種類にする見込みのようだ。シングルモーターとデュアルモーターのレイアウトも予想される。

新しい電気自動車のラインナップはクロスオーバーに集中すると伝えられている。

毛籠さんは「小型車はないだろう」と述べた。小型車用のバッテリーは高価すぎるからだ。

(INSIDE EVsの記事から)

“I'd like Mazda to introduce a nice-looking SUV with more of an SUV look,” Masahiro Moro said, adding that the company has the technology to decrease the drag coefficient that’s crucial to get as many miles per charge as possible.
A small and medium SUV will also be in the mix, and all will be powered by either one or two electric motors.

“We are evaluating customer needs, because if you use a high-power motor, it requires a lot of battery capacity, which makes the vehicle heavier and more expensive,” the CEO said.

“For example, 110 kilowatts would be a high-power motor. We are looking at 70, 80, 90, 110 kilowatts, that range. We are evaluating one motor and two motors. It is not decided.”

毛籠氏は「マツダにはもっとSUVらしい外観を備えたSUVが必要」と語り、「マツダには、充電1回あたりの走行距離をできるだけ稼ぐために重要な、空気抵抗係数を下げる技術がある」と付け加えた。
小型と中型のSUVもラインナップされ、いずれも1つまたは2つの電気モーターを搭載する予定だ。

ハイパワーモーターを使うとバッテリー容量が大きくなり車重が重くなり価格も高くなるので顧客のニーズを調査しています。

例えば、110kWはハイパワーモーターになります。私たちは70、80、90、110kWを検討しています。モーターは1個と2個を評価している。まだ決定はしていない"

毛籠社長によると今後投入するBEVモデルに搭載するモーターは70kW~110kWまでの範囲で3種類程度の出力を用意する方向で検討しているようです。

現在マツダの量産BEV・PHEVに搭載されているモーターはそれぞれ「107kW(MX-30 EV)」「125kW(MX-30 Rotary-EV)」「129kW(CX-60 PHEV)」なのでスペックだけを見るとやや控えめに感じるかもしれませんが、モーターを最大2個搭載する事も検討されているので、組み合わせ次第で様々なスペックや駆動方式も実現できそうですね。

マツダが以前公開したEV専用スケーラブルアーキテクチャーの資料画像でもフロントとリアにモーターが搭載されているように見えます。

マツダが「中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針」を正式発表、2ドアクーペのビジョンスタディモデルも初披露。 - つらつらとMAZDA

(画像 MAZDA)

一方、毛籠社長のコメントを見る限りだと今後登場するBEVモデルはクロスオーバーSUVが中心で、小型車のBEVモデルは存在しない可能性が高いようですね・・・。

INSIDE EVsの記事には小型のSUVも示唆されているのでCX-3のBEVモデルはまだ可能性があるかもしれませんが、MAZDA2のBEVモデル実現はかなり厳しいのかもしれません。

何よりMAZDA2とCX-3に関しては次期型・後継モデルに関する具体的な情報が中々出てこないのが気になってますが・・・。

あとは何よりSUV以外のモデルも登場する事を願いたいですね。

 

 

マツダは2025年頃に既存のアーキテクチャーを使ったBEVモデルを導入予定(CX-5が有力?)なのに加えて、中国では長安汽車と共同開発のBEV/PHEVモデルを2車種導入予定。

2024年に入るとBEVモデルに関する情報や発表がさらに増えると思われるので、引き続きマツダの動向に注目です。