今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は3件。
件数も少ないので3件ともに取り上げたいと思います。
まずは「車体の後部構造」という内容。
特開2020-147177 | 知財ポータル「IP Force」
説明図からCX-30のリア廻りに関係する内容と思われます。
資料に書かれている特許の目的は・・・・
SUV(スポーツ ユーティリティ ビークル)のような車両において、車両の高級感をかもし出すことを目的として車両後部の左右両側を下方側は大きく形成し、上方側をコンパクトに見せるため車両側面を車両後面に向けて大きく湾曲させるような車両デザインを採用した場合、車両側部後端近傍の走行風(車体側面流)の流線は下方側においては車両後方に向くのに対して、上方側においては車幅方向内側に向き、走行風が車両側部後端から車幅方向内側に巻き込まれると共に、上述の下方側と上方側とで走行風の流線が異なることに起因して、気流に乱れが生じ空力性能が悪化する。
一方、出願済みの特許の中にはリヤコンビネーションランプ装置において、車両後面から車両側面に向かって湾曲するカバーレンズ部材の側面部の前端部に車体側面流を剥離させる突起部が車外側に向けて凸設された構造が開示されている。
そこで、この発明は、車両の後方内側に向けて走行風が流れるのを抑制、すなわち、走行風が車両側部後端から車幅方向内側に巻き込まれることを抑制することができる車両の後部構造の提供を目的とする。
CX-30のリア廻りは「後席頭上・荷室スペースなどの実用性」と「デザイン」の両立のためにかなり細かい調整が行われていますが今回の空力に関する特許出願も強く関係しているのはほぼ確実だと思われます。
次は「車体上部構造」という内容。
特開2020-147202 | 知財ポータル「IP Force」
特開2020-147203 | 知財ポータル「IP Force」
資料内には「減衰ボンド(No.21.22.23)」という記載もあるので第7世代車種に関係する内容だと思われます。
資料に書かれている特許の目的は・・・・
車両の操縦安定性(操安性)を向上させるためには、車体の剛性を向上させることが必要である。
車体上部構造であればルーフサイドレールやフロントピラーやフロントヘッダなどの剛性を向上する必要がある。
しかし、フロントピラーやフロントヘッダなどのウインドシールドが接合される開口部画定用の構成部材の剛性を向上させると構成部材それ自体が振動の伝達路として機能しやすくなってしまい、接着材によるウインドシールドへの振動伝達を抑制する効果を向上させることが難しくなることが懸念される。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、車体の剛性を確保しながらウインドシールドへの振動伝達を抑制する効果を向上させることが可能な車体上部構造を提供することを目的とする。
今週の出願公開は以上となります。
来週もどのような内容が出てくるのか注目しておきたいと思います。