今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は2件のみ。
ただ、2件共になかなか興味深い内容となっています。
1件目は「エンジンの側部構造」という題名の内容。
特開2021-46854 | 知財ポータル「IP Force」
こちらは「縦置き直6ガソリンターボエンジン」に関する内容。
ガソリンエンジンなのでSKYACTIV-Gが真っ先に思い浮かびますが、厳しい環境規制を考えるとSKYACTIV-Xという可能性も考えられます。
〇資料に記載されている特許の目的
車両衝突時、補機の後退を阻止するために補機と燃料ポンプとの間に保護バリアに相当するインタクーラを配設することは可能である。
しかし、衝突エネルギーが比較的に小さい場合には、エンジン本体に固定されたインタクーラにより補機の後退を阻止することが可能であっても、衝突エネルギーが大きい場合には、補機の後退する力(後方推進力)によりインタクーラの固定が解除(破壊)され、補機に押されて後退したインタクーラと燃料ポンプとが干渉するおそれがある。
即ち、燃料系部品の衝突安全性について、更に改善する必要がある。本発明の目的は、燃料系部品の衝突安全性を改善可能なエンジンの側部構造等を提供することである。
2件目は「車両の電気機器支持構造」という題名の内容。
特開2021-45993 | 知財ポータル「IP Force」
こちらは「ロータリーエンジンを使用したマルチxEV」に関する内容。
〇資料に記載されている特許の目的。
本発明は、モータのような車両の駆動系装置の上にインバータのような高電圧機器を複数積み重ねる構造に関する。このような構造において、上側高電圧機器に衝突荷重が加わるとその荷重が上側高電圧機器から下側高電圧機器に伝わり、下側高電圧機器の駆動系装置に結合された付け根部分に衝突荷重が集中する。そのため、衝突荷重が大きいときは下側高電圧機器がその付け根部分から破損して、上側高電圧機器と共に駆動系装置から倒壊するおそれがある。
そこで、本発明は、車両衝突時におけるインバータなどの高電圧機器の倒壊を防止する。
マルチxEVモデルに採用されるロータリーエンジンは当初発電用のみという話でしたが、池田直渡さんの記事によると欧州の”ルール変更”が原因で駆動も担う事になったとの事。
今回の特許出願でも「エンジンとギアボックスは結合されている(赤線部分)」という記載があるのは気になるところ・・・。
ちなみに、今月1日に取り上げたマルチxEVモデルに関する特許出願では「エンジンで駆動される事は無い」と書かれていました。
マルチxEVに関してはまだまだ明かされていない謎が多くありそうですね・・・。
今週の特許出願は以上となります。
来週以降も気になった内容があれば取り上げていきたいと思います。