つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許(2022.7.9)

(画像 IP Force)

今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は22件。

その中から気になった内容を取り上げます。

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

 

まずは「エンジンの振動抑制構造」という題名の内容から。

特開2022-99482 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 IP Force)

〇資料に記載されている特許の目的

本発明は、ロールバランサおよびエンジンの出力軸の振動を確実に抑制できるエンジンの振動抑制構造を提供することを目的とする。

こちらは「1ローターのロータリーエンジンに関する内容で、使用目的に"発電"というキーワードもある事から今年度後半に発表予定のMX-30 ロータリーマルチxEVと関係している可能性が高そうですね。

ただ、資料を見ると発電だけでなく駆動源としての利用も視野に入ってるようなのでちょっと期待が高まります・・・(笑)

 

 

続いては「走行制御装置および該方法」という題名の内容。

特開2022-98750 | 知財ポータル「IP Force」

(画像 IP Force)

〇資料に記載されている特許の目的

原動機の始動の際には、駆動輪に駆動力を伝達させないために、原動機と変速機との間の締結を解除しておく必要がある。

通常のクラッチ装置では、ワイヤや油圧でクラッチ装置と機械的に接続されているため、クラッチペダルの操作によって生じる反力等による抵抗感等をクラッチペダルから脚部に感じることにより、乗員は締結の解除を実感し易い。

一方、自動クラッチ装置では、クラッチペダルの操作によって生じる反力等による抵抗感等は、クラッチペダルの設計によって適宜に設定可能であるため、通常のクラッチ装置のように乗員が締結の解除を実感し難い場合が起こり得る。

本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、原動機の始動の際に、原動機と変速機との間の締結をより確実に解除できる走行制御装置および走行制御方法を提供することである。

通常のMT車はペダルとクラッチ機械的に繋がっていますが、こちらは「バイワイヤ化されたクラッチシステム」に関する内容です。

クラッチバイワイヤシステムはすでにドイツのシェフラー社が実用化させていますが、クラッチをバイワイヤ化させる理由の一つが昨今当たり前の装備になりつつあるADAS(先進運転支援システム)とMTの両立。

クラッチ制御が電子化される事で「普段は普通のMT車」「ADAS使用時や緊急時はクラッチを自動制御するAT車という使い分けも可能になります。

クラッチバイワイヤシステムに関する特許は他にも複数のメーカーが出願していますが、アイシン精機が出願した特許では夫はマニュアル車が欲しいが妻はオートマチック車が欲しい、あるいは通常の走行中はマニュアル車が良いが渋滞時はオートマチック車の方が良い等の要求に一台の車両で応えることができる」という事にも触れてありました。

マツダの場合、ドライバーが体調不良や居眠り等によって運転が出来ないと判断した時に路肩等へ自動的に退避する「マツダ・コ・パイロット・コンセプト(Mazda Co-Pilot Concept)」をCX-60から順次導入する事を公表しているので、今回の特許はMazda Co-Pilot ConceptとMT車の両立を狙った内容の可能性が考えられます。

Mazda Co-Pilot Concept採用第一弾となるCX-60は8速ATのみですが、今後登場が期待される次期型ロードスターやロータリースポーツではこのようなシステムが採用されるかもしれませんね・・・(笑)

 

今週気になった内容は以上となります。

来週以降も気になった内容を随時取り上げていきたいと思います。