つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

2020年に公開されていた「インホイールモーターとトランスアクスルを採用したFRベースのプラグインハイブリッド車」に関するマツダの特許出願が登録されました。

(画像 IP Force.jp)

2019年頃からインホイールモーターやトランスアクスルに関するマツダの特許出願が複数公開されていますが、その中の1件が今週新たに登録されました。

 

知財ポータルサイト

https://ipforce.jp/

 

今回紹介するのは2020年6月に出願公開されていた「車両駆動装置」という題名の特許。

https://ipforce.jp/patent-jp-P_B1-7118363

(画像 IP Force.jp)

〇資料に記載されている特許の目的

DC/DCコンバータ、インバータ、プラグイン充電器など多くの電力処理装置を車両に搭載すると、乗員が乗車する車室スペースが狭くなったり、荷物を積載するスペースが狭くなったりするという問題が発生する。

さらに、電力処理装置には、車両の衝突時等における過度な損傷を避ける必要があるため、損傷を防止するための保護部材を電力処理装置の周囲に設けると、電力処理装置の搭載に必要なスペースは益々大きくなり、車室や荷物の積載スペースが狭くなるという問題がある。

本発明は、車両の衝突時等における電力処理装置の過度の損傷を防止しながら、車室や荷物の積載スペースを過剰に狭くすることなく、電力処理装置を搭載することができる車両駆動装置を提供することを目的としている。

(2020年6月に取り上げたブログはこちら)

こちらはすでにおなじみになってきたインホイールモーターとトランスアクスルを採用したFRベースのプラグインハイブリッド車に関するマツダの特許で、今回登録されたのはその中でも電力処理装置やバッテリーをフロアトンネル内に搭載する事で、室内空間の確保や衝突時の損傷防止を目的としている内容となっています。

トランスアクスルを採用する理由としては、先に挙げた電力処理装置を搭載スペース確保だけでなく、フロアトンネルの幅を小さくする事で適切なドライビングポジションを実現する事にも触れているのがマツダらしい取り組みに感じますね。

 

 

加えて個人的想像ではありますが、フロアトンネル内にバッテリーを搭載する理由としては車高が低めとなるセダンやスポーツカーを視野に入れている事も考えられます。

「左:CX-60 PHEV、右:MX-30 EVモデル (画像 MAZDA)」

一般的なEV・プラグインハイブリッド車の場合バッテリーはフロア下に搭載されているのが大半ですが、この方法だとバッテリーの損傷を防ぐためにある程度車高を高くする必要性が出てくるのでセダンやスポーツカーを生み出す難易度は高くなります。

今回紹介した特許は、ほぼ同時期に出てきているアルミ製スペースフレームや駆動用ロータリーエンジンに関する特許との関連性もかなり強いので、バッテリーをフロアトンネル内に搭載する事で低い車高を実現する目的も含まれてる可能性はかなり高いと想像します。

あとはこれらの内容を採用した量産モデルが出るのを期待したいところ・・・。

 

今後も引き続き気になる特許・商標・意匠情報を取り上げていきたいと思います。