昨日マツダがグレードやメーカーオプション設定を今後絞り込む可能性がある事を取り上げましたが、エンジンに関する報道も出てきました。
今回取り上げるのは「日刊工業新聞」と「ニュースイッチ」の記事。
日刊工業新聞は昨日の記事で「マツダはハイブリッド向けに新型エンジンを開発する代わりにレシプロエンジンを4種(おそらく機種数)に集約する」と報道。
そして日刊工業新聞と同系列メディアのニュースイッチが本日全容を公開した記事を掲載しており「新型エンジンは次期CX-5に搭載する自社製ハイブリッドシステムを見据えて2025年頃実用化、レシプロエンジンは"4機種程度"に絞る」と書かれていました。
マツダは今年5月の通期決算発表の場で次期CX-5に自社製ハイブリッド搭載を公表していましたが、ここにきて組み合わせるエンジンも新開発という報道が出てきたのはかなり驚き・・・・。
一方、エンジンの機種数に関しても専務執行役員の廣瀬一郎さんが昨年日経xTECHのインタビューで絞り込む方針を明言していましたが、記事通り4種類程度に集約だとすれば廃止されるエンジンがかなり出る事になります。
現時点でマツダから正式発表されてない状況ですが、日刊工業新聞の報道通りという前提で新開発のエンジンと集約されるエンジンを予想してみます・・・。
◎新開発のエンジンはどうなる?
マツダはSKYACTIVテクノロジー発表時から理想の燃焼(エンジン)開発ロードマップを公表していますが、現在最も新しい2nd Stepエンジンはガソリンが「SKYACTIV-X(e-SKYACTIV X)」で、ディーゼルは「SKYACTIV-D 3.3(e-SKYACTIV D 3.3)」
このロードマップはおそらく不変だと思うので、今回報道された新型エンジンはロードマップの中心に位置する"第3世代エンジン"が有力候補。
第3世代エンジンに関しては、マツダ関連情報でおなじみの中国新聞も4年前に「第3世代ガソリンエンジンを2025年頃目途に投入予定」と報道していたので内容や時期もほぼ一致します。
☆4年前に中国新聞の記事を取り上げたブログ。
元々マツダはガソリンをディーゼルエンジンのように自己着火させるHCCI燃焼実現を目指していたので、これらをまとめると新開発エンジンは「SKYACTIV-Xの進化版」と予想します。
SKYACTIV-X(e-SKYACTIV X)は現在MAZDA3とCX-30に直4 2.0Lが搭載されていますが、欧州では「2025年に大幅進化される?」という噂も出ているので、この2車種にも新開発のエンジン/ハイブリッドが搭載される可能性があるかもしれません。
☆2025年にSKYACTIV-X大幅進化?の噂を取り上げたブログ
あと、SKYACTIV-Xに関しては"1気筒=500cc"のモジュラーエンジンとして開発されているのも特徴ですが、欧州では直4 2.0Lに加えて直6 3.0L(e-SKYACTIV X 3.0)の登場も予告されていました。
直6 3.0Lに関しては中々続報が出てこない状況が続いていますが、こちらもハイブリッド向け新型エンジンに該当するかもしれません。
今後より厳しくなる環境規制も考えると次世代の主力エンジンとして複数の排気量が登場する可能性も考えられます。
☆CX-80にSKYACTIV-X搭載予定のコメントを取り上げたブログ
◎現行のエンジンはどうなる?
新しいエンジン以上に気になる方が多いかもしれない現行エンジンの行方ですが、現在マツダが生産・販売しているレシプロエンジンは「ガソリン(SKYACTIV-G)」「ディーゼル(SKYACTIV-D)」「SPCCI燃焼式ガソリン(SKYACTIV-X)」で、排気量の違いやハイブリッドの有無もあります。
そこでとりあえず現行レシプロエンジンの種類をまとめてみました。
種類の区分けを迷いましたがとりあえずマイルドハイブリッドの有無も分けています。
最も種類が多いSKYACTIV-G系に関してはやはり2.0Lと2.5Lが主力ですが、マイルドハイブリッド付きはほぼ欧州と日本向け。
SKYACTIV-D系はさらに日本市場中心の傾向になっています。
ニュースイッチの記事では「今後レシプロエンジンはラージ商品群向けの【直6エンジン(ガソリン/ディーゼル)】【プラグインハイブリッド】に【新開発のHV向けエンジン】を加えた4つを核にする見通し」と書かれているので、現行エンジンでは一覧表の黄色で示した種類が継続候補になりますね・・・。
◎新開発エンジンと残るレシプロエンジンの予想まとめ
これまでの予想をふまえてハイブリッド向け新型エンジンと今後残る現行エンジンの予想をおさらい・・・。
☆今後マツダの核となるエンジン4種類
①直6 e-SKYACTIV G 3.3ターボ
②直6 SKYACTIV-D 3.3(マイルドHV有り/無し)
③直4 SKYACTIV-G 2.5(マイルドHV有り/無し/ラージ用PHEV)
④新開発HV専用第3世代ガソリンエンジン(SKYACTIV-Xの大幅アップデート版?)
・新型ストロングハイブリッドとの組み合わせが基本(一部マイルドハイブリッド仕様を用意するのもアリ?)
・モジュール設計(1気筒=500㏄)を生かして複数の排気量を用意(直3 1.5L・直4 2.0L・直6 3.0Lあたり?)
・次期CX-5は自社製ストロングハイブリッドと組み合わせた直4 2.0L?
☆一定の必要性から例外で残りそうなエンジン
①直4 SKYACTIV-G 1.5(ロードスター)
②直4 SKYACTIV-G 2.0(ロードスター)
③直4 SKYACTIV-D 2.2(次期CX-5の日本向け)
今回取り上げた報道通り核となるエンジン4種類を上げると3つが排気量2.5L以上でかなり偏る事から、新開発のハイブリッド専用エンジン(第3世代ガソリンエンジン?)はモジュール設計を生かして複数の排気量が登場すると予想。
これによって既存のSKYACTIV-G 1.5/2.0等とも置き換え可能と考えましたが、ニュースイッチの記事では”レシプロエンジンを4種類程度に絞る"と書かれていたので、ロードスターに搭載されているSKYACTIV-G 1.5/2.0はさすがに残るはず・・・。
一方、日本市場で根強い人気があるディーゼルエンジンに関してはラージ商品群用の直6 3.3L以外残る可能性が低そうな状況。
次期CX-5でもSKYACTIV-D 2.2継続設定を期待する声も多そうですが、欧州では次期CX-5に搭載しない報道が出ていた事に加えて、オーストラリアでも昨年現行型のディーゼルモデルが販売終了したので復活も不透明・・・。
ただ、マツダはCX-60・CX-80日本仕様だけわざわざマイルドハイブリッド"無し"の直6 3.3L SKYACTIV-Dを用意しているので、次期CX-5でも日本専用にSKYACTIV-D 2.2が残る可能性があるかも・・・?
現時点でマツダから新型エンジン開発や種類集約に関する正式発表は行われていないので"あくまで素人の予想(妄想)"ですが、昨日もグレードやメーカーOPなども絞り込む報道が出ていたのでエンジンの種類もかなり整理されるのはほぼ確実と思われます。
もちろんすぐに4種類程度に集約される事は無いと思いますが、今後大幅改良やフルモデルチェンジで順次整理される流れでしょうか・・・?
次期CX-5の登場時期はエンジンと同様に2025年と思われますが、関連する報道が2日連続出てきてる状況からそれほど遠くない時期にワールドプレミアや次世代技術説明会が実施されるかもしれません。
今後関連する発表や報道がさらに増える事も予想されるので引きつづき注目しておきたいと思います。
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