つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

今週新たに登録されたマツダの特許(2020.9.30)

今週新たに登録されたマツダの特許は4件。

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(画像 ipforce.jp)

その中から気になった内容を取り上げます。

 

今週取り上げるのは2つの「圧縮着火式ガソリンエンジンという内容。

 

〇1件目

特許6763436 | 知財ポータル「IP Force」

 

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(画像 ipforce.jp)

これは駆動用HCCI燃焼エンジンに関する内容です(資料には直列4気筒と記載)

かなり難しい内容ですがその中で注目点は2枚目の図に書かれている「エンジン仕様」

・圧縮比:20(SKYACTIV-X 2.0Lは15 or 16.3)

・ボア×ストローク(mm):87.5×83.1(SKYACTIV-X 2.0Lは83.5×91.2)

あくまで研究で用いられた実験用エンジンのスペックですが、ひと昔のディーゼルエンジン並みの高圧縮比と昨今では珍しいショートストロークが組み合わさった仕様となっています。

ちなみに同じボア×ストロークマツダ製エンジンではアテンザアクセラ、NCロードスターなどにも搭載されていたLF型エンジン(MZR 2.0L)がありました。

https://eng.greeco-channel.com/engine/lf_list/

他のガソリンエンジンがどんどん低回転トルク重視の特性になる中でSKYACTIV-X 2.0Lは高圧縮比と高回転まで回せるという特性を兼ね備えたエンジンですが、次世代のSKYACTIVエンジンで上記の特許内容が導入された場合は今以上に高い環境性能とスポーティな性格を兼ね備えるという事になるのかもしれません。

 

資料に書かれている特許の目的は・・・

HCCI燃焼は、高温・高圧の環境下で燃料(ガソリン)が自発的に酸素と反応して起きる燃焼であるため燃料成分(分子構造)の相違による影響を受け易いと言われている。

このため、仮に同等のオクタン価を有するガソリンが気筒に供給されたとしても、燃料成分の相違により着火時期がばらつくことが想定される。

 

この点に関し本願発明者は鋭意研究の結果、エンジンの運転条件が燃料の低温酸化反応を伴うような条件である場合に燃料成分の相違による着火時期のばらつきが生じ易いことを発見した。このため、適正なHCCI燃焼の実現のためにはできるだけ低温酸化反応が起きないように運転条件をコントロールすることが望まれる。

しかしながら従来の特許ではこのような低温酸化反応の抑制という観点でEGR率等が制御されていないので、燃料成分の相違により着火時期がばらつく可能性があった。

 

本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、燃料成分の相違による着火時期のばらつきを抑制することが可能な圧縮着火式ガソリンエンジンを提供することを目的とする。

 

今週はもう一つ同じ題名で「規定と異なるオクタン価を有する燃料が供給された場合でもHCCI燃焼を継続することが可能な圧縮着火式ガソリンエンジンを提供すること」を目的とする内容も登録されています。

 

SKYACTIV-Xはまだ登場したばかりで伸びしろも見込めますし、次の世代のガソリンエンジンも2025年頃に投入予定と報じられています。

今後のマツダ製エンジンの進化も楽しみですね。

 

明日は出願中の特許が公開されるはずなのでそちらでも気になった内容があれば取り上げたいと思います。