今週新たに公開されたマツダが出願中の特許は22件。
その中から気になった内容を取り上げたいと思います。
まずは「車両の車体構造」という題名の内容から。
特開2022-80057 | 知財ポータル「IP Force」










〇資料に記載されている特許の目的
本発明はフロントバンパーの重量が大きくなる大型SUV等において、バンパの支持剛性と衝突時における歩行者への衝撃軽減性能とを両立することができる車体前部構造を提供することを目的とする。
こちらは大型SUVの衝突安全性能を確保する目的の特許ですが、1枚目の説明図に描かれている車両を見るとシグネチャーウイングの部分にLEDがあるのでほぼCX-60です。


この特許出願はCX-60を含むラージ群SUVを意識した内容だと思われます。
続いては「積層塗膜及び塗装物」という題名の内容を3件。
1件目:特開2022-78780 | 知財ポータル「IP Force」
2件目:特開2022-78781 | 知財ポータル「IP Force」
3件目:特開2022-78782 | 知財ポータル「IP Force」
(説明図は3件共通)








〇資料に記載されている特許の目的
(1件目・3件目)
本開示の課題は、光輝性層と透光性を有する着色層によって赤系の色を出すようにした積層塗膜において、FF性(※)を改善し、意匠性が高い金属調カラーを実現することにある。
※FF性(フリップフロップ性)・・・塗装された色が、見る角度により異なった色に見える性質の意味。メタリックカラーは特にFF性が高い。
(2件目)
本開示の課題は、光輝性層と透光性を有する着色層によって赤を発色させるようにした積層塗膜において、赤の発色性を改善しつつ、意匠性が高い金属調カラーを実現することにある。
こちらはボディカラーに関する内容ですが、1枚目の説明図に均等に並べられたアルミフレークが描かれている事に加えて、文中には"赤"というフレーズが出てくるのでソウルレッドに関する内容の可能性が高そうです。
MAZDA NEWSROOMマツダ、魂動デザインを象徴する新しいボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」を開発|ニュースリリース


ソウルレッドは2016年末に発表された2代目CX-5で「"プレミアムメタリック"から"クリスタルメタリック"」へ進化していますが、今回このような特許が出願されているという事は今後さらに改良が行われる可能性も考えられますね。
最後は「エンジンの制御方法、及び、エンジンシステム」という題名の内容。
特開2022-78533 | 知財ポータル「IP Force」








〇資料に記載されている特許の目的
要求エンジン負荷に応じて混合気のG/Fを変える場合に、可変動弁装置の応答遅れを考慮して、インジェクタが燃料を噴射するタイミングを設定できる。シリンダー内の状態に適した燃焼形態で、混合気が燃焼するため、燃焼安定性が基準を満たしかつ、異常燃焼を抑制できる。
SPCCIというフレーズが出てくるのでSKYACTIV-Xに関係するのが有力ですが、点火プラグを気筒毎に2つ装備する事が視野に入っているので、SKYACTIV-Xに続く次世代のガソリンエンジンに関する内容かもしれません。
点火プラグを2つ装備したガソリンエンジンに関するマツダの特許はこれまでにも複数出願されているので、次世代のガソリンエンジンで実際に採用される可能性は思ったより高いかもしれませんね。
今週気になった内容は以上となります。
2022年に入ってからマツダの特許件数は少ない状況が続いていますが、ここ最近は少しずつ件数が増えてきた印象なので来週以降も気になった内容を紹介したいと思います。