今日は月曜日ですが特許出願情報が新たに更新。
マツダが出願中の特許が新たに31件公開されていますが、その中から気になった内容を取り上げます。
今日新たに公開された一覧では「発電用ロータリーエンジンを使ったマルチxEV」に関する内容が複数公開されているのでまずはそちらを順にピックアップしていきます。
①「車両の回転電気機械」という題名の内容。
特開2021-30795 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的
マウント部材を介してフロントサイドメンバーに支持され、端子支持部材を有する車両の回転電気機械において、車両衝突時に端子支持部材を保護することを目的とする。
②「電気機器の車載構造」という題名の内容。
特開2021-30886 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的
本発明は、車両衝突時におけるインバータなどの高電圧機器の倒壊を防止する。
③「蓄電装置の保護構造」という題名の内容。
特開2021-30889 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的。
本発明の主な目的とするところは、排気消音装置が蓄電装置(バッテリ)より車両前方に配置された構成において、車両に対する前方からの衝突時に排気消音装置が蓄電装置へ干渉することを抑制することにある。
④「車両用エンジンの吸排気装置」という題名の内容。
特開2021-32153 | 知財ポータル「IP Force」
〇資料に記載されている特許の目的。
ここに開示する技術の目的は、吸排気装置をコンパクトに構成しつつもサージタンク部の容積を確保することにある。
本日公開された「発電用ロータリーエンジンを使ったマルチxEV」に関する主な特許出願は以上ですが、なかなか興味深い内容となっています。
まず②と③に記載されている説明図と2019年にマツダが披露したエンジンルーム画像と比較。
基本的な構成に変更はありませんが、マツダが公開した画像と比べるとエアクリーナーBOX(No.42)等が追加されています。
③で触れられている発電用ロータリーエンジンのマフラー位置も2019年に披露された展示用シャシーから変更はありません。
河口まなぶさんによるマツダEV試作車のレポートによると
— taku2 (@taku2_4885) 2019年9月3日
・EV用プラットフォームはMAZDA3・CX-30用より先に開発、それを元にMAZDA3・CX-30へ派生
・発電用ロータリーの排気口はフロントタイヤ後側方に
・シフトノブはEV用に新たな逆L字型シフトゲートを採用https://t.co/Wzs6W0WQh7 pic.twitter.com/b2fG43gbZy
そして、④の説明で注目なのは発電用ロータリーエンジンが”ポート噴射”を想定しているという点。
マツダが2007年の東京モーターショーで出品した「16X」では直噴が採用されていたものの、デミオベースのレンジエクシテンダー試作車はポート噴射でノルウェーで披露されたシャシーに配置されていたエンジンも引き続きポート噴射になってる可能性が高い状況でした。
今回出てきた特許出願もポート噴射が想定されてるので量産モデルでもこの構成で登場する可能性が高そうですね。
「発電用ロータリーエンジンを使ったマルチxEV」以外の特許出願でも2つ気になる内容があるので取り上げます。
「車両のステアリングラック支持構造」という題名の内容。
特開2021-30925 | 知財ポータル「IP Force」
こちらは「縦置きFR車のパワーステアリング」に関する内容です。
デュアルピニオン式電動パワステはNDロードスターでも採用されていますが画像を比較すると・・・。
やや形状が異なるので今回の特許出願はラージ群に関する内容という可能性も考えられます。
〇資料に記載されている特許の目的
本発明はサブフレームによるステアリングラックの支持剛性を向上させることができる車両のステアリングラック支持構造の提供を目的とする。
最後は「車両用音生成装置」という題名の内容。
特開2021-32972 | 知財ポータル「IP Force」
こちらはMX-30 EVモデルにも採用された「EVサウンド」に関する内容です。
MAZDA MX-30 EV MODEL|特長 - 航続距離や走行性能、エクステリア、内装、安全性能、機能性|マツダ
〇資料に記載されている特許の目的
本発明は、ドライバに車両の加速の力強さを容易に認識させて正確なアクセル操作を促進することができる車両用音生成装置を提供することを目的としている。
本日公開された特許出願の中で気になった内容は以上となります。
水曜日・木曜日にも特許情報が更新される可能性があるので気になった内容があれば取り上げたいと思います。