2022年もまもなく終わりますが、ここで今年ブログで取り上げた内容を「特許・商標・意匠」と「マツダ全体」に分けて振り返ってみたいと思います。
まずは「特許・商標・意匠」から・・・・。
「特許」
〇2022年1月~3月
2022年のマツダの特許情報はいきなり1月6日・7日と立て続けに「"駆動用"ロータリーエンジンを採用したハイブリッド車(おそらく2ドアクーペ・スポーツカー)」に関する特許出願が日本だけでなく欧州でも公開。
特に欧州で公開された内容は"3ローターエンジン"を想定している事が大きなインパクトでした。
続いて1月12日には「2ドアクーペ用のドア」に関する特許出願が欧州で公開されましたが、こちらの説明図で何故かMAZDA3ファストバックが・・・。
さすがに現行モデルで2ドア(3ドア)モデルが追加される可能性は低いと思いますが、次期型以降で登場するかも⁉(笑)
そして3月には「スポーツカー用と思われるトランスアクスル」に関する特許出願が日本と欧州で公開。
6速MTをベースにアクチュエーター(モーター)によって変速させる事が前提の内容でしたが、一方で純粋なMTへの適応も視野に入っているのが注目ポイントでしょうか・・・。
〇2022年4月~6月
ラージ商品群第一弾モデル「CX-60」が欧州と日本で正式発表された時期ですが、これに合わせるように直6エンジンやラージ群アーキテクチャーに関係する特許出願が4月~5月にかけて複数公開。
ただ、このシーズンで最もインパクトがあったのは5月18日に出願公開された「スポーツモデルを意識したFRベースのハイブリッド車」に関する内容。
マツダのスポーツカーに関係すると思われる特許はここ数年トランスミッションだけリアに搭載する"トランスアクスル"がかなり多かったのに対して、こちらは従来と同じ搭載位置の6速MTをベースにした"ドグミッション"を視野に入れているのがポイント。
そして、6月28日には「発電用ロータリーエンジンの排気構造」に関する特許出願が複数公開されました。
発電用ロータリーエンジンを採用した「MX-30 R-EV」ではどのような構造になっているのか気になるところ・・・。
〇2022年7月~9月
7月30日には手動運転車両「MX-30 Self-empowerment Driving Vehicle(SeDV)」に関係すると思われる特許出願が複数公開。
ちなみに今月22日には第57回機械振興賞「経済産業大臣賞」を受賞した事も発表されています。
8月には日本と米国で「格納式のドアハンドル」に関する特許出願が公開。
2ドアだけで無く4ドア車にも採用する事を視野に入れてるようなので、今後登場する新型車で採用されるかもしれませんね・・・。
9月には欧州と日本で「ロードスター用と思われるカーボン製(CFRP)製タワーバー」に関する特許出願が公開。
発売開始から7年が経過した事でフェイスリフトを含めた大幅改良や次期型に関する憶測や噂が出てきていますが、より軽量化を極めるアイテムとしてカーボンパーツを採用するのか気になるところ・・・。
さらに9月には「ターボチャージャーを採用した直6のSKYACTIV-X」に関する特許出願も公開。
CX-60欧州仕様に搭載予定の直6版SKYACTIV-XはNAエンジンと公表されていますが、今後ターボVer.も登場するのか気になるところ・・・。
〇2022年10月~12月
この時期はマツダに関する特許情報がかなり少ない状況でしたが、その中でも10月22日に「マツダコネクトと電動パーキングブレーキ用の操作装置」に関係すると思われる特許出願が公開。
既存モデルと違って静電式スイッチの採用を視野に入れてるのが特徴的ですが、個人的にはコマンダーコントロールを継続してより操作感の気持ちよさを追求して欲しいです。
11月には「MPCI燃焼を採用したエンジン」に関する特許出願が公開。
MPCIは「Multiple Premixed fuel injection Compression Ignition(多重予混合圧縮点火)」の略で、調べた限りだとオクタン価が低い燃料でHCCIに近い圧縮自己着火を実現させる方式との事。
マツダはSKYACTIV-Xと直6SKYACTIV-Dに続く3rdステップのエンジンを開発予定としていますが、目標としているガソリンによる圧縮自己着火の実現に向けた一手となるのか注目です。
12月に入ると「発電用ロータリーエンジン」に関係する特許出願が再び公開されましたが、こちらのロータリーエンジンは直噴式を視野に入れているのが特徴でした。
そして12月で最も注目だったのは2020年代後半に導入予定の「EV専用スケーラブルアーキテクチャー」に関係すると思われる特許出願が日本だけでなく米国でも公開された事。
「バッテリーケースやサスペンションがある"車体下部"(シャシー)」と「キャビンや荷室がある"車体上部"(ボディ)」を上下分離可能になっているのが特徴ですが、このアーキテクチャーはかなり拡張性を持つ見込みなので、SUVだけでなくセダンやスポーツカーの登場も期待したいところですね・・・。
「商標出願」
2022年に出願公開された商標がこちら。
「Мazda Со-Рilot」(1月)
「MAZDA SPIRIT RACING」「"R"をモチーフにしたマーク」(1月)
「DCPCI」(2月)
⇒直6 SKYACTIV-Dエンジンに採用された新しい燃焼方式の名称
「MIATA」「DSP」(3月)
「CX-60日本仕様のグレード・パッケージオプション・パワートレインの名称」(4月)
「プレミアムプラス」「BURGUNDY」「MspR」(5月)
「GRAND JOURNEY」(6月)
「MAZDA SKYACTIVS HIROSHIMA"の公式マスコットキャラクター」(6月)
「ウィズリー」(8月)
「MAZDA JOURNEY」(9月)
⇒CX-60オフィシャルグッズの名称
「MAZDA(商標区分が金融)」(9月)
「INDUSTRIAL CLASSIC」「MODERN CONFIDENCE」「MAZDA SPIRIT RACING(商標区分が食品)」(9月)
⇒「INDUSTRIAL CLASSIC」「MODERN CONFIDENCE」はMX-30の新グレード名
「ACTIVSYNC」「CLAP POP」「ROOKIE DRIVE」「SCI-FI」(12月)
今年も商品改良に合わせて登場した新グレード名を中心に複数出願されましたが、今月7日に公開された4つの商標出願も"あの車種"の新しいグレード名になるのでは?という妄想が膨らんでいます・・・。
それ以外にも用途がまだ明らかになっていない商標もあるので今後も注目ですね。
「意匠登録」
2022年に公開された意匠登録はこちら。
「CX-50のエクステリア関連(中国)」
⇒今月15日にCX-50 中国仕様が正式発表
「CX-5 2021年大幅商品改良モデルのエクステリア関連」
「CX-60のヘッドライト・テールランプ」
「CX-60純正20インチアルミホイール(プレミアムモデル用)」
「CX-60純正ステアリング」
「CX-60純正20インチアルミホイール(標準モデル用)」
「CX-60純正18インチアルミホイール」
「CX-60のエクステリア関連」
「CX-50のエクステリア関連(日本)」
「CX-60のフル液晶メーター表示画面」
「CX-60のフル液晶メーター表示画面とシースルービューの画面」
「CX-60と同じデザインのステアリング(米国)」
今年はやはりCX-60に関する意匠登録が中心でしたが、一方でCX-60と同じデザインのステアリングに関する意匠が米国でも取得されているので、北米向けのラージ商品群「CX-70/CX-90」でも同じステアリングが採用される可能性がかなり高いです。
個人的には「MAZDA SPIRIT RACING BIKE CONCEPT」が実際に市販化されるのか気になるところですが・・・(笑)
簡単にですが2022年に取り上げたマツダの特許・商標・意匠を振り返ってみました。
ちなみに2022年に公開されたマツダの特許件数がこちら。
・出願公開件数・・・・584件(2021年は726件)
・登録件数・・・・650件(2021年は184件)
出願公開の件数はやや減少しましたが、登録に関しては前年より大幅に増えています。
今年登録された特許では「インホイールモーター」「オープンデッキ車両」「駆動用ロータリーエンジン」に関する内容も含まれています。
さらに米国では日本に続いて「アルミ製スペースフレーム」関する特許が登録される動きも・・・。
ここ最近はSUVの話題が中心になっているマツダですが、さすがにそろそろ次世代のセダンやスポーツカーに関する動きが出てきて欲しいところですね・・・。
そんな事も考えながら明日はマツダ全体に関する1年を振り返ります。