1月13日に欧州で正式発表されてから大きな話題となっている発電用ロータリーエンジン搭載のPHEV「MX-30 R-EV」ですが、欧州の一部地域では早速WEBカタログとコンフィギュレーターが公開されています。
「MX-30 R-EV」は1月13日にブリュッセルモーターショーで正式発表。
発電用とはいえロータリーエンジンが11年ぶりに復活した事が大きな話題となっており、このブログでも内容を詳しくチェックしました。
欧州では早い地域で春頃から発売開始と報じられている「MX-30 R-EV」ですが、早速WEBカタログとコンフィギュレーターを公開している国が出てきたので紹介したいと思います。
まずコンフィギュレーターを公開したのは「ベルギーマツダ」
Tester le configurateur de voiture Mazda | Mazda Belux
公式HPのコンフィギュレーターを見るとパワートレインの選択項目に「e-SKYACTIV R-EV」が加わっていました。
先日も紹介したようにR-EVモデルのグレード構成はEVモデルと同様ですが、アルミホイールと設定されるボディカラーはグレードによって少し異なるようです。
※ベルギー仕様のMX-30は3グレード構成
「PRIME-LINE」「EXCLUSIVE-LINE」
・ボディカラーは「モノトーンのみ」
・アルミホイールは「グレーメタリック塗装」
・ドアピラーの「ガーニッシュ(ピアノブラック)」は未装着
・Dピラーの「MAZDAロゴ付きメッキエンブレム」は未装着
〇アークティックホワイト
〇セラミックメタリック
〇ポリメタルグレーメタリック
〇ジェットブラックマイカ
〇マシーングレープレミアムメタリック
「MAKOTO」
・ボディカラーは「モノトーン」「マルチトーン(2トーン/3トーン)」
・アルミホイールは「切削加工×ブラックメタリック」
・ドアピラーの「ガーニッシュ(ピアノブラック)」装備
・Dピラーのメッキエンブレム装備
〇アークティックホワイト
〇セラミックメタリック
〇ポリメタルグレーメタリック
〇ジェットブラックマイカ
〇マシーングレープレミアムメタリック
(マルチトーンカラー)
〇ジェットブラックマイカ(2トーン)
〇ジルコンサンドメタリック(2トーン)
〇セラミックメタリック(3トーン)
〇ソウルレッドクリスタルメタリック(2トーン)
「EDITION R」(R-EV発売記念モデル)
・専用カラー「マローンルージュメタリック×ジェットブラックマイカ」
・エクステリアの仕様は「MAKOTO」と同様。
ボディカラーのラインナップは既存のMX-30と同じですが、標準グレード系は「モノトーンカラーのみ」、上級グレードのMAKOTOは「マルチトーンカラーも選択可能」
さらにR-EVのアルミホイールに関してはこれまで「切削加工×ブラックメタリック」のみ公開されていましたが、標準グレード系専用に「グレーメタリック」も用意。
既存のEVモデル・マイルドハイブリッドモデルに用意されているアルミホイールは「シルバー」と「高輝度ダーク塗装」だったので、エンブレム以外ではアルミホイールが見分けるポイントになりそうです。
続いてWEBカタログですが、こちらをいち早く公開したのは「英国マツダ」
(ブログの読者さんからも情報提供していただきました)
Mazda UK | Explore our full range of cars & latest offers
英国マツダが公開したWEBカタログは「EVモデル」と「R-EVモデル」総合になっています。
まずは改めてグレード・パワートレイン別の価格表から。
先日紹介したドイツ仕様と同様にグレード構成はEVモデル・R-EVモデル共通で、価格は上級グレード「MAKOTO」のみR-EVモデルの方が375ユーロ(日本円換算で約5万円)高くなっています。
R-EVモデルのMAKOTOのみ車両本体価格が少し高くなっている理由として考えられるのはラゲッジルームに装備される「最大1500WのAC電源」
日本仕様のEVモデルにも昨年秋の商品改良で追加された1500WのAC電源ですが、欧州仕様の場合はR-EVモデルの「MAKOTO」とR-EV発売記念車「EDITION R」のみ装備されているので、これが車両価格に反映していると思われます。
そしてWEBカタログにはR-EVモデルの諸元一覧も掲載されているので、まだ詳しく取り上げてないスペックを紹介。
※:欧州メディアが行った開発者へのインタビューによるとまだ認可取得途中との事なので、スペックや燃費等は変わる可能性もあります。
☆充電時間(20% ⇒ 80%)
・急速充電(50kW)・・・・25分
・普通充電(コンセント)・・・・4時間50分
・普通充電(MODE3)・・・・1時間30分
☆EVモード航続距離(WLTP)
・総合・・・・53マイル(約85㎞)
・市街地・・・・68マイル(約107㎞)
まずEVモード航続距離ですが、先日取り上げたドイツマツダのニュースリリースに書かれていた約85㎞はWLTPモード総合の数値で、市街地モードだと約107kとの事。
充電時間も合わせて考えると日常の買い物や近場の移動ではほとんどEVモードでカバーできる可能性もありますね。
さらにモード別のWLTP燃費も掲載されていますが、こちらはサイズが最も近い「CX-30」と同じPHEVの「CX-60」も含めて比較。
※全て欧州仕様の数値、CX-30は両方「FF/6AT」でCX-60 PHEVは「8AT/AWD」
MX-30 R-EVは市街地が優れている一方で超高速域は落ち込んでいますが、これは高速領域が苦手なシリーズハイブリッドの特徴が大きく出ている数値と言えそうです。
欧州仕様のMX-30はEVモデル・R-EVモデルどちらも最高速度が140㎞/hに抑えられているので、それが関係してる可能性も考えられますね・・・。
一方、欧州で重要視されるCO2排出量はMX-30 EVモデルに次ぐ低さなのでこちらはある程度強みになると思われます。
ちなみに、以前ブログでスペインの環境基準を表す「ECOラベル」を紹介しましたが、スペインマツダはMX-30 R-EVが最も優れたゼロラベル認定になる事を公表。
ゼロラベル認定を受けた車を購入すると受けられる恩恵(2021年時点)
・自動車登録税免除
・規制駐車場や企業の個人所得税20%割引
・交通税75%割引
・一部の有料道路最大30%割引
・環境保護のために車両通行制限を行っている都市を制限なしで走行可能。
・都市部の駐車料金無料
・充電機を設置するためのインセンティブ
これはあくまでスペインの例ですが、欧州では似たような施策を行ってる国や地域もそこそこ多いと思うので、都市部メインで使用されるユーザーさんにとってはサイズ感も含めて魅力的なモデルになるかもしれません。
PHEVの場合はカタログ燃費よりも充電施設やEVモードの活用頻度が重要になってくると思うので、現地メディアによる長期レポートを見てみたいところですね。
欧州で公開されたコンフィギュレーターとWEBカタログで気になる部分をチェックしてきましたが、早ければ春頃から欧州の一部地域で販売開始される予定なのでそれほど遠くない時期にメディア向けの試乗イベントなども実施されるはず・・・。
個人的には新開発されたロータリーエンジンの詳しい仕様や作動時の静粛性が気になっているので引き続き情報をチェックしておきたいと思います。