6月1日・2日に開催された「MAZDA TOWN FESTA 2024」に当選したので行ってきました!
マツダは元々関係者や本社工場近隣の皆様へ日頃の感謝を伝える目的で「MAZDA OPEN DAY」というイベントを開催していましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響から2020年以降は中止。
今年は「MAZDA TOWN FESTA」と名称を変えて5年ぶりに開催する事が発表されていましたが、入場抽選に当たったので参加してきました。
マツダ本社へ・・・・。
今回も日帰りなので新幹線と在来線を乗り継いで行きましたが、マツダ本社の最寄りである向洋駅は高架化工事が進んで昔からある跨線橋が解体されていました。
この駅舎がある光景を見れるのも残り短いかもしれませんね・・・。
参加した土曜日は快晴で暑いくらいでした(笑)
「磨き体験」
MAZDA TOWN FESTAでは事前予約制のコンテンツが複数用意されていましたが、いくつか応募した結果「ものづくり体験(磨き&キーホルダー作り)」のみ当選。
キーホルダー作りなので「参加者はお子様ばかりなのでは?」という心配もあったのですが、意外に大人の方も多くて一安心しました(笑)
このコンテンツはロードスターの部品から取れる部材を金型仕上げペーパーで磨いてキーホルダーを製作する内容ですが、金型を一定の力加減で上下方向に磨くのがコツ。
あと、磨いていくと仕上げ用のペーパーに黒い削り粉が付着しますが、この黒い削り粉によってペーパー面がより細かくなってキレイに磨けるアドバイスもありました。
20分という限られた時間でしたが、完成したキーホルダーは持ち帰れるので参加記念としてもオススメです♪
「ロータリーエンジンの機械加工工場見学」
ついにロータリーの生産現場の一部見れた…!! pic.twitter.com/URWwMR7XbZ
— taku2 (@taku2_4885) 2024年6月1日
こちらはMX-30 Rotary-EVに搭載された8C型ロータリーエンジンのローターやハウジングを加工する工場を見学するコンテンツです(整理券が配布されるのでキーホルダー作りの前に入手)
工場内は撮影禁止なので写真はありませんが、工作機械やロボットアームがズラッと並んでる光景はかなり壮観でコース途中ではロボットアームが動くところも見学。
その中でも特に見どころだったのはサイドハウジングに「サーメット溶射」を行っている瞬間を見れた事ですね。
8C型ロータリーエンジンは軽量化のためにアルミ製サイドハウジングが採用されていますが、サーメット溶射はセラミックとメタルを掛け合わせたサーメットを高速溶射する事で耐摩耗性と強度を確保する技術です。
サーメット溶射は1991年ル・マン24時間レースを制した787B用4ローターエンジン(R26B)にも採用されていた技術なので、実際に加工を行っている瞬間を見れたのは感動の一言。
あと、見学受付のすぐ横には歴代のロータリーエンジンも一部展示されていて、中にはコスモスポーツ発売前に試作された4ローターエンジンや軽自動車用として開発されていた3A型1ローターエンジンもありました(おそらくリニューアル前のマツダミュージアムで展示されてた個体)
続いてマツダミュージアムへ向かうためにバス停へ向かったのですが、バス停に着くと何やら様子がおかしい・・・・。
スタッフの方に聞いてみると本社工場(車軸部品を加工する車軸A棟)で火災が発生して、マツダミュージアムへ向かうバスの運行が停止していました。
(ニュースにもなっていました)
幸いけが人等は無かったようですが、マツダミュージアムへ向かうバスは結果的に一日運休に。
マツダミュージアムでも各種コンテンツが開催されていたのでかなりショックでしたが、こればかりはどうしようもないですね・・・。
「新旧ロータリースポーツコンセプトの共演」
予定を変更してマツダ本社ビルのロビーへ向かうと3台(実質2.5台?)のマツダ車が展示されていました。
「ICONIC SP」
昨年10月のジャパンモビリティショー2023を皮切りに日本各地の自動車ショーで展示されてきたICONIC SPは今年3月から基本的にマツダ本社ロビーで展示。
昨年東京と大阪でチェックした時よりかなり間近で見る事ができるので、内装もしっかりチェック出来ました。
ICONIC SPの内装と言えば藍色の植物由来ファブリック素材が最も目立ちますが、個人的にこのカラーコーディネートと素材の使い方は量産車でも採用して欲しいところ。
あと、間近で見ると車体の小ささや低さをより実感しますね・・・。
そして一緒に展示されてるのがこちら・・・。
「RX-EVOLV」
RX-EVOLVは1999年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカーで、新世代ロータリーエンジン”RENESIS”とフリースタイルドアを採用して2003年に登場したRX-8のルーツと言えるモデルでもあります。
1999年の東京モーターショー以降は一般展示された記録がありませんでしたが、昨年11月のマツダミュージアム土曜日特別開館で約20年ぶりに一般公開され、その後は今年4月のオートモビルカウンシル2024とマツダ本社ロビーで展示。
ヘッドライトやテールランプはRX-8と異なりますが、基本的なフォルムやフリースタイルドアなどはほぼRX-8に踏襲されており、実車を見てもRX-8と重なる部分が多くありました。
ちなみにRX-EVOLVは元々淡いブルー(バイオレット?)のボディカラーとタンカラー基調の内装でしたが、世界初公開された1999年東京モーターショーからわずか2か月後のデトロイトモーターショーで現在の内外装に仕様変更。
レッドのボディカラーは「バーミリオンジャポネスク」という日本的な情緒を感じさせる朱色で、これをベースに開発されたのがRX-8以外の車種にも採用されたボディカラー「ベロシティレッドマイカ」となります。
内外装を変更した正式な理由は不明ですが、発表当時の記事を見る限りだとデザインチーム側は当初からレッド推しだったものの、商品開発本部長だったマーティン・リーチ氏からレッド以外をリクエストされた事も関係してそうですね・・・。
そしてロビーにはジャパンモビリティショー等で注目を集めていた2/3スケールのNDロードスターも展示されていました。
「CX-50 中国仕様」
これまでマツダミュージアムで度々展示されていた「CX-50」は北米仕様の上級グレードでしたが、今回は中国仕様が展示されてました。
昨年マツダミュージアムでチェックしたCX-50は北米仕様に設定されている2.5ターボの最上級グレードでしたが、今回は中国仕様の2.0LガソリンNAエンジンのベースグレード。
さらにボディカラーも初めて見るインゴットブルーマイカでした。
基本的な概要は北米仕様と同じですが、中国仕様はリアバンパーがより張り出している事に加えて後席スペースも僅かに広くなっているのが特徴。
そしてマツダコネクトには中国語の案内が映っていました(当たり前ですが)
CX-50に関しては以前から国内導入を期待する声も多い印象ですが、説明員の社員さんによると1,900mm越え(1,920mm)の全幅だけでなく大きく張り出した前後フェンダーの外板パネルをプレス出来る機械が国内の工場に配備されていない事も国内販売されない理由との事。
全幅1,890mmのCX-60・CX-80でもサイズに対する賛否が出ているので、国内導入はハードル高いでしょうね。
ただ、広島マツダ系列の「カーエース広島」さんがCX-50の並行輸入販売を実施しているので国内でも乗れるチャンスはあります(噂ではすでに1台売れたらしい)
「デザインセンターに潜入」
そして前から入ってみたかったデザインセンターにもついに潜入。
実はロータリーエンジンの機械加工工場見学の整理券を入手した直後にも少し見学しました。
エントランスに入るとこの車が・・・。
「 SHINARI(靭)」
SHINARIは現在のマツダデザインのテーマ「魂動-Soul of Motion」を初めて体現したコンセプトカーとして2010年に世界初披露。
このモデルは2010年9月にSKYACTIVテクノロジーのプロトタイプ車(TPV)と同時発表されたのでマツダの歴史にとってもかなり重要なコンセプトカーと言えますが、今でもあの時感じた衝撃は忘れられません。
一般的にコンセプトカーは役割を終えると処分されるのが大半ですが、SHINARIは世界初披露から10年以上経った現在も大切に保存されている事からマツダが重要なモデルと位置付けてる証しと言えるかもしれません。
一般公開はなかなか実施されないので僕も初めて実車を見る事が出来ましたが、今見ても全く古さを感じさせない美しさで、最近のマツダがSUV中心になってる事からより魅力を感じますね・・・。
続いてデザインセンターの3階に上がるとこのような空間が・・・。
ドーム状になっているデザイン検討ルーム(?)に入ると歴代ロードスターが一堂に展示されていましたが、いずれの車両も横浜ナンバーだったので自動車メディアの試乗レポート等で使用されてる広報車両ですね。
乗り込みもOKだったのでかなり人気でした。
そしてこちらの展示ブースで最も注目だったのがこちら・・・・。
「白のICONIC SP」
こちらは先に紹介したレッドより前に制作されたプロトタイプで、4月に行われた2024年度入社式の会場にも展示されて話題になりましたね。
事前に公開されていたイベントコンテンツ一覧には展示情報が書かれていませんでしたが、何となく展示してる予感がしたので予想通りでした(笑)
基本的なデザインはレッドの車両と同じですが、こちらはボンネットにセンターストライプが入っている事に加えてホイールやドアミラーの意匠も異なります。
そして写真では真っ白に見えたボディカラーは実車だと少し水色に見えて、デザイナーさんに質問するとやはりブルー系の塗料も含まれてるとの事。
メタリックが入っていないソリッドカラーですが、量産車だとMAZDA2に採用された「エアストリームブルーメタリック」に近い色味でしょうか・・・。
そして白いICONIC SPと同じくらい注目を集めていたので奥に展示されていたカットモデル。
これは内装デザイン検討時に制作されるカットモデルですが何と当日は運転席に座る事が可能。
試座体験はイベントコンテンツに書かれていませんでしたが、デザイナーさんによると開催直前に座ってもいい許可が出たとの事なので驚きのサプライズ!
さっそく座ってみましたが、内装をチェックするとダッシュボードなどに使用されてる表皮やステッチのカラーやシフトノブの形状がレッドの車両と異なっていました。
このあたりは様々な検討が行われた事を伺わせますが、ICONIC SPの運転席に座れたことに違いは無いので興奮しましたね・・・(笑)
特に注目だったコンテンツを紹介してきましたが、他にも面白いコンテンツや展示がたくさんあったのでいくつか写真で紹介・・・。
「工場内に展示されたヘリテージ車両」
「デミオ REレンジエクステンダーの試作車に搭載されていたユニットとロータリーエンジン」
・2013年に公開されたレンジエクステンダーの試作車用ユニット。
・当時リース販売されていた3代目デミオのEVモデルをベースに330㏄発電用ロータリーエンジンを搭載。
・ロータリーエンジンを含むユニットはリアのラゲッジルーム下に水平搭載。
「MAZDA SPIRIT RACINGのスーパー耐久参戦車両(2024年カラーVer.)」
「デザイナーさんが描かれたスケッチ」
これ以外にもいくつか写真を撮ってたのでInstagramに追って投稿していきたいと思います。
今回のMAZDA TOWN FESTA 2024で見てきた主なコンテンツをまとめてみましたが、OPEN DAY時代も含めて初めて参加した感想は「一日では回り切れないくらいにコンテンツが充実してる・・・!!」
マツダミュージアムに行けなかった中でも見る事が出来なかった展示やコンテンツがたくさんあったので、出来れば土日通しチケットが欲しくなります・・・(笑)
今回は事前予約コンテンツもかなり競争率が高かったようですが、実際に入場すると本社ビル周辺を見学するだけでもそこそこ歩き回る必要がある事に加えてマツダミュージアムはバスで行く必要があるので、予約コンテンツは内容だけでなく予約時間帯もかなり重要に感じました。
それでも念願のロータリーエンジンの加工工場やデザインセンターを見学出来たのは感動だったので、来年以降も是非参加したいところです。
イベント関係者の皆様、楽しいイベントをありがとうございました!
・石川県公式HP(令和6年1月4日から受付開始)
・富山県公式HP(令和6年1月5日から受付開始)
※:新潟県は現時点で義援金受け付けを行っていないので、日本赤十字を通じた義援金やふるさと納税で貢献するのがいいかもしれません。