本日11月9日、マツダが2021年3月期・第2四半期決算を発表しました。
注目点が多くあるのでチェックしていきます。
マツダ公式HP・決算資料ページ
プレゼンテーション資料(PDF形式)
https://www.mazda.com/globalassets/ja/assets/investors/library/result/files/pre20201109_j.pdf
まずは総括から。
新型コロナウイルス感染騒動による緊急事態宣言やロックダウンが行われていた原因が大きく表れていた第1四半期から比べると大きく改善はしましたが、4月~9月の今年度上半期は930億円の赤字となりました。
第2四半期では北米が前年比プラスに転じるまで回復していることや、固定費を大幅に抑制できた点は好材料。
日本も含めてこれから大半のモデルで商品改良車(2021年モデル)の販売が本格的に始まるので下半期でどこまで巻き返せるか注目です。
続いては地域別の販売状況。
〇日本
日本は大半のモデルの商品改良車がこれから発表・発売予定という事もあって回復傾向がやや緩やかな状況。
その中ではCX-3のSKYACTIV-G 1.5搭載モデルが比較的好調なのが好材料。
これから発表・発売予定の商品改良車でどれだけ巻き返せるか。
〇北米
最重要地域となる米国がほぼ前年比同レベルまで回復してきました。
先月の販売台数も前年比16.5%UPと好調を維持している事に加えて、MAZDA3ターボや新世代マツダコネクト・10.25インチモニターが採用されたCX-5・CX-9の2021年モデルの販売が本格化するので上半期の実績にも期待が高まります。
〇欧州
欧州市場はCAFE規制の企業平均CO2排出量対策を見越して当初から販売台数を一定数に制限する処置が予定されてるので、前年比で比較すると減少する状態が続いています。
その中ではMX-30が各国で比較的安定した台数を販売しているので、SKYACTIV-X搭載モデルと合わせてどれだけ販売できるか注目ですね。
〇中国
中国は第1四半期に続いて前年比増の販売を記録して好調を維持しています。
SKYACTIV-X搭載モデルが9月から発売開始されているのでどれだけ反響が出ているのか注目。
あと、以前から予定されていた中国市場向け専用EVはどうなったのでしょうか・・・?
〇その他
販売台数は前年比減ですが市場シェアは逆に前年比増を記録しているので市場全体の中でマツダの減少幅は比較的少なかったと言えるかもしれません。
10月1日からオーストラリアで新型BT-50が発売開始、さらに東南アジアなどでも販売されるはずなのでどこまで反響があるのか注目ですね。
続いて・・・・
今回の決算発表では将来の商品に関する注目すべき発表もいくつかありました。
①開発中の直6エンジン/直4プラグインHVの写真を公開
注目度がかなり高い開発中の直6エンジンの実物写真がついに公開!
Twitterでも一足先にチラッと触れましたが、触媒関連と思われる補器類のサイズから「左はSKYACTIV-X」「右はSKYACTIV-D」のようにも見えます・・・。
真ん中に置かれている直4のプラグインHVはトランスミッションも装着された状態なのも注目。
これまでチェックしてきた関連特許との比較も含めてまた改めて詳しくチェックしたいところです。
あと、今回さらに注目なのは1枚目の資料に書かれている直6エンジンの種類に通常のガソリンエンジンも追加されてる点。
2種類用意するだけでもなかなかチャレンジングと思っていたので驚きました。
北米市場の需要を考えての事だと思われますが、詳しい構成が気になるところですね。
〇「マツダコネクト」「SKYACTIV-X」「i-ACTIVSENSE」のアップデート
現在販売されているマツダ車を対象としたこの先2年のアップデート内容も公開。
米国を皮切りに実施されてるマツダコネクト2(新世代マツダコネクト)搭載の対象車種は「CX-5・CX-8・CX-9」と記載されているので現行MAZDA6は対象外のようです。
やはり2年以内に次期型へフルモデルチェンジでしょうか・・・?
SKYACTIV-XとSKYACTIV-Dのアップデートはすでに情報が出ていますが、SKYACTIV-Xは既存オーナーへの無償アップデートも検討中と言われています。
SKYACTIV-Dも無償アップデートが検討されてるのか気になるところ・・・。
「i-ACTIVSENSE」のアップデートも含めてまもなく商品改良が正式発表される見込みなので続報に注目ですね。
〇トヨタとの協業範囲の拡大
今回直6エンジンの写真と同じくらい驚きだったのがこちらの内容。
特に注目なのが「欧州でヤリスTHS(ハイブリッド)をベースとしたモデルをOEM受給」という点。
MAZDA2は現行モデルがまもなく7年目を迎えるにも関わらずモデルチェンジに関する噂や情報があまり出てこない事がずっと気になってましたが、今回の資料から想像すると欧州では次期MAZDA2がヤリスベースになるという事なのでしょうか・・・?
北米ではつい最近までMAZDA2がトヨタへOEM供給されていた事例はありますが・・・。
MAZDA2は日本でも主力車種なのでかなり動向が気になります・・・。
さらに北米新工場で生産が予定されている北米向け新型SUVにTHSが搭載。
この新型SUVはCX-5級のサイズでアウトドアを重視した車両になるという情報がすでに出ています。
文面から見るとSKYACTIVエンジンにTHSを組み合わせる事になりそうですが、すでにアクセラハイブリッドという事例もあるのでそれらのノウハウが生かされるかもしれません。
今回の決算発表で気になった内容は以上となります。
決算内容自体はまだまだ厳しい数字が出ていますが、販売が回復傾向という事に加えて次世代ラージ群を中心に将来のマツダ車に関してかなり注目度の高い内容が発表されました。
開発中とはいえ直6エンジン実物写真を見ると疲れも吹っ飛びます(笑)
個人的には来年の東京オートサロンや大阪オートメッセで直6エンジンを展示して欲しいところですが・・・・。
まだまだ気になる内容もあるので改めて深掘りしつつ楽しみにしたいと思います。