2024年6月3日、マツダから型式指定申請における不正があった事が正式発表されました。
すでに各メディアで報じられていますが、国交省(国土交通省)は昨年末に発覚したダイハツ等の認証試験不正問題を受けて、型式指定を取得している自動車メーカー等85社に対し型式指定申請における不正行為の有無等に関する調査・報告を指示。
その結果5月末までにスズキ、トヨタ、ホンダ、マツダ、ヤマハ発動機の5社から不正行為の報告があった事が本日発表されています。
〇CarWatch
今回マツダから発表された形式指定申請不正に関するレポートがこちら。
①:衝突試験における試験車両の不正(対象:過去生産車3車種)
・不正行為が発生した要因は、フルモデルチェンジの際に行なった試験で十分な安全が確認できていて、商品改良モデルはフレームが同じでセンサーの受ける衝撃力も変わらないため、インパネ形状や助手席エアバッグの変更、4WDモデルの追加による乗員保護への影響を精緻に試験しようと、設計基準値での時間指定起爆がよいと独自解釈をして試験を行なっていた(CarWatchの記事から)
・実際にはセンサーが衝撃を感知してエアバッグを展開する“自然起爆”も、時間を指定してエアバッグを展開する“時間指定起爆”も人間の目では判別できないコンマ何秒の違いでほぼ同じタイミングとなるが、当時の担当者はフルモデルチェンジのときに行なった試験とまったく同じタイミングでエアバッグを展開させたほうが商品改良前後の差異が正確に取れるだろうと独自に解釈し、時間指定起爆で試験を行なっていた(CarWatchの記事から)
②:出力試験におけるエンジン制御ソフトの書換え(対象:現行生産車2車種)
・不正行為は、室内で1時間近くエンジンを回し続けることで吸気温度が基準値を超えてしまい、試験そのものが不成立となってしまうことから、ソフトウェアを書き換えて、吸気温度が高いときに入る点火時期補正機能の一部を停止させ、その結果を申請データとして使用していた点(CarWatchの記事から)
・エンジン出力の試験で吸気温度が実車の環境では起こらないレベルで上昇したため、点火時期補正機能が作動しないように同機能が停止するように書き換えて試験を実施(日刊自動車新聞)
今回対象となったのは全て商品改良モデルですが、個人的にはロードスターRFまで含まれてるのがショック大きいですね・・・。
このような事案が発生した理由は色々あると思いますが、国交省が定めた手順で試験が行われて無い事に違いはありません。
本日開催された緊急記者会見では複数の自動車メーカーで似たような問題が発生した事もあってなのか「国交省が定めた試験基準にも問題があるのでは?」という質問が複数出ていて、メーカが表立って意見するのは難しいでしょうからね(個人的も試験基準が今の時代にマッチしてない印象も受けますが・・・)
ただ、エンジンに関しては条件より高い吸気温度で試験が実施されているようなので、正しい手順で試験を行った方が優れた数値が出る予感もするのは素人考えでしょうか?(基本的に吸気温度は低い方が有利のはず)
該当車両への影響ですが、エアバッグはすでにマツダ社内で技術検証および再試験を行い、前面衝突時の乗員保護性能について法規で定められた基準を満たす性能を有していることを確認。
エンジンについては今後速やかに再試験を行う予定になっていますが、安全性に関連する内容ではないので、全ての該当車種を所有されてるオーナーさんは引き続き安全に乗れると案内されています。
その一方でMAZDA2のガソリンエンジンモデルとロードスターRFは今回の調査結果を受けて出荷を5月30日から停止。
さらに公式HPでは新規商談・注文も一旦停止した案内が掲載されました。
特にロードスターRFは今回の問題発覚前から納期が長くなっていたので、かなり影響でるかもしれませんね・・・。
MAZDA ROADSTER / MAZDA ROADSTER RF|(NDロードスター)スポーツ|マツダ
週末MAZDA TOWN FESTAへ行った直後にこのような発表があったので尚更ショックが大きいですが、とりあえずこのような問題が再発しない事を祈るのみ。
あとは納車待ちのユーザーさんや関連サプライヤーへのフォローも迅速に行われる事を願います。
(個人的な都合ですがこのようなネタでブログ更新するのはやっぱり気が重い・・・)
・石川県公式HP(令和6年1月4日から受付開始)
・富山県公式HP(令和6年1月5日から受付開始)
※:新潟県は現時点で義援金受け付けを行っていないので、日本赤十字を通じた義援金やふるさと納税で貢献するのがいいかもしれません。