
マツダが2026年3月期 通期決算を発表したので、いつも通り中身をチェックしていきたいと思います。
〇マツダ公式決算資料・プレゼンテーション資料専用ページ

【決算総括】












マツダは2026年3月期の通期見通しを【営業利益:500億円】【純利益:200億円】と公表してましたが、米国関税に続いて中東問題も出てきた中どちらも見通しを上回る実績を達成。
米国の関税が9月に引き下げられ事や原価/コスト削減を継続的に行った事はもちろんですが、台数・構成だけでなく台当たり収益の改善も達成要因に挙げられてるのも注目。
これによって販売台数が未達でも営業利益・純利益は目標を上回る結果に繋がってますが、1台毎の利幅を確保しやすいラージ商品群投入や値引き抑制(=ブランド価値経営)に取り組んできた効果も出てるはずです。
(度々説明してますが、ブランド価値経営=高級ブランド化ではありません)
それにしても営業利益変動要因グラフに示されてる関税影響や、米国への出荷台数減少が"増収要因(出荷しない方が利益になる)"と書かれてるのを見ると、米国の関税引き上げによる影響の大きさを改めて実感しますね・・・。
(今はカナダ/メキシコ⇔米国による報復関税引き上げ(双方25%)の方が影響大きいかも・・・?)
【2027年3月期 見通し】










2027年3月期は、新型CX-5市場導入が本格化する事を踏まえて【営業利益:1,500億円】【純利益:900億円】の見通しが立てられており、これは前期より約3倍の目標設定。
ただし、米国関税が引き上げられる直前の2025年3月期よりは低い目標設定なので、米国関税だけでなく中東問題に伴う原材料高騰・不足の影響はまだ続く予測だと思われます。
あと、販売台数見通しが米国だけでなく欧州も大幅増になってますが、これはサイバーセキュリティ法規などの理由から2024年で2代目CX-5欧州仕様が生産終了して、新型CX-5発売まで約2年あった事が大きな理由。
実際、2代目CX-5欧州仕様が生産終了する直前の2024年3月期欧州販売実績は約18万台だったので、2027年3月期の約19.7万台はCX-5の販売正常化や今年夏に販売開始するCX-6e等を視野に入れた数値だと思われます。


そしてGW前に公式ティザーサイトが公開された事によって国内発売が近づいてる雰囲気だった新型CX-5ですが、こちらも"今月販売開始予定"と初めて公表されました。
5月も中旬に差し掛かってるので、これからティザーや情報発信も本格化するはず・・・。
ちなみに、資料には「大型ディスプレイ、音声操作やステアリングスイッチの操作性について欧米市場から高い評価」と紹介されてますが、これまで確認した限りだと海外メディアやユーザーからの批判は相変わらず見かける事が多いので、全面的に受け入れられてるかは疑問も・・・?
https://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/teaser/

【地域別の2026年3月期販売状況】
◎日本
日本市場は第1・第2四半期で前年比プラスの実績を達成してたものの、第3四半期以降は減少傾向になった事から通期では約5%減に。
その中でもCX-5・CX-60・ロードスターは堅調な販売実績を記録しました。
昨年~今年にかけてビジネス構造変革や新しいブランドメッセージ「走りたい。を、つくりたい。」を発表したのに続いて今月には新型CX-5も販売開始しますが、以前から販売終了の報道が度々出ているMAZDA2の今後も気になるところ・・・。
(実質後継と見られるタイ製新型コンパクトSUVについては後ほど紹介)
◎北米
マツダが最も重要視する米国市場は、関税影響回避のために出荷台数が制限された事やメキシコ工場で生産されてるMAZDA3/CX-30が一部日本へ移管された影響から対前年9%減になってますが、現地生産されてるCX-50は米国向けの出荷が増やされた事から販売も好調。
新型CX-5が販売開始されたのは3月なので本格的に販売実績へ反映されるのは次回の決算発表以降になります。
先に紹介した資料では今期の成長材料として「MAZDA3・CX-50の供給改善」が挙げられてましたが、これは米国の新車取引価格が大幅高騰した事によってSUVより手頃なセダン系モデルが再評価されてる事が理由。
若年層の間でSUV以外を求める動きがある話もあるので、今後のトレンド動向に注目したいところです。
◎欧州
欧州は2024年から現行CX-5が在庫販売になってた事や、新型CX-5発売が今年初旬だった影響で前年比6%減となってますが、MX-5以外の既存車種は販売台数が増加傾向。
加えて長安汽車と共同開発したBEV「MAZDA6e」が昨年秋発売されたのに続いて、第2弾の「CX-6e」も今年夏発売予定。
加えてディーゼルエンジンの環境性能UPやタン内装追加が行われたCX-60/CX-80も今期成長のカギになるはずです。
あと、欧州ではCX-30にシートベンチレーション追加や、MX-5に新しい特別仕様車"Yakudo"とボディカラー"Zinc Green Metallic"登場の可能性が出てきてるので、こちらの発表も楽しみですね。
◎中国
中国では2024年に長安汽車と共同開発した電動モデル第1弾「EZ-6」を発売したのを皮切りに、昨年秋には第2弾の「EZ-60」が販売開始しており、現在はこの2車種が販売のメイン。
今年春にはEZ-60の特別仕様車"马年版(丑年=2026年)"も発売してますが、マツダは共同開発モデル第3弾・第4弾も検討中なので、いつ頃発表されるのか気になるところ。
◎その他の市場
マツダの市場シェアがTOPクラスのオーストラリアは、ラージ商品群の販売が好調だったものの、MAZDA2・CX-3が減少した事によって前年比約9%減。
ASEANは昨年末にフラッグシップ店舗をオープンさせたベトナムマツダが過去最高の販売台数を記録しており、タイではMAZDA6eの導入も進んでいます。
そしてタイ工場の項目では"次期CX-3"というフレーズがありますが、これに関しては次の項目で紹介・・・。
通期決算に関する主な発表は以上ですが、今回は2022年に公表されていた「2030経営方針」の進捗状況も合わせて発表されており、その中に注目の発表もありました。
☆「中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針(2022年11月発表)」

【2030経営方針に基づく取り組み進捗】














現在マツダは2030経営方針で示されたフェーズ2の期間に入ってますが、今日行われた進捗状況説明では2027年にタイ工場(AAT)で生産開始する新型コンパクトSUVを「次期CX-3」と公表。
先ほど紹介した資料だと次期CX-3は来年タイで販売開始して日本・ASEANにも輸出されますが、タイでは"2027年中盤に生産開始予定"という報道もあったので、報道が正確だとすると日本発売は来年後半くらいでしょうか・・・?
そしてCX-3と合わせて動向が気になっていたMAZDA2ですが、決算発表の質疑応答で毛籠社長から「MAZDA2の国内生産は近い時期に終了、来年投入する次期CX-3でカバーしていく」という説明がありました。
☆中国放送
生産終了の理由はハッチバック車需要が継続的に縮小している事が挙げられてますが、SUV偏重がさらに進んでしまう不安を感じる人も多そう・・・。
ただ、昨年公開されたデザインスケッチは全長が短くてスポーティな雰囲気だったので、内外装の仕立て次第ではハッチバックに近い雰囲気も楽しめるかも?
あとは詳しい車体寸法やパワートレインの情報を早く知りたいですね・・・。
マツダが2027年を目途にタイ工場で生産する新型SUVは"マイルドハイブリッドのB-SUV"との事、タイではデザインスケッチも公開か? - つらつらとMAZDA



続いて注目なのは「ハイブリッド車種を1⇨4車種へ拡大」する発表ですが、こちらも中国地方のメディアが"新型CX-5を含めた4車種に増やす方針”と報道してるので、来年新型CX-5に初導入する新型ストロングハイブリッドで間違いなさそうです。
新型CX-5以外に展開する事は以前から予告されてましたが、まず候補に挙がるのはCX-5と同じ横置きエンジンで車体サイズも比較的近いMAZDA3・CX-30。
この2車種はCX-5に次ぐ主力車種でもあるのでかなり有力候補だと思われますが、現行型登場から7年が経過してるので、新型ストロングハイブリッド搭載に合わせてフルモデルチェンジする可能性も・・・?
あと、毛籠社長は新型ストロングハイブリッドをラージ商品群にも展開する可能性を示唆していたので、残る1車種はラージ商品群第1弾のCX-60あたりも候補に入るかもしれません。
※2026.5.13追記
中国新聞の記事によるとハイブリッド車4車種には新型CX-5だけでなくCX-50 HYBRIDも含まれてるとの事。
そうなると残り2車種はCX-30・MAZDA3が最有力でしょうか・・・?
ちなみに、マツダは発電用ロータリーエンジンを組み合わせたシリーズ式ハイブリッド”Rotary-EV"の進化版も開発してますが、こちらはMX-30と同様にプラグインハイブリッドが有力なのでまた別枠だと思われます。
これ以外にも電動化投資に関する発表もありましたが、2027年投入予定だった「EV専用アーキテクチャー」に関しては今年1月の報道通り2029年頃に遅らす事を発表。
海外のBEV需要低下や電動化投資による影響を大きく受けるメーカーが多数出てるのでほぼ予想通りでしたが、これに合わせて電動化に対する投資額も約1.2兆円に効率化されてます。
今日発表された主な情報を簡単にまとめてみましたが、2026年3月期は米国の関税引き上げの影響を大きく受けながら見通しを上回る営業利益・純利益を達成したのがとにかく朗報で、個人的にはコロナ禍初期の2021年3月期と同様に黒字達成への執念を感じました。
そして次世代商品に関する情報も一部公表されましたが、特に注目なのはタイ製新型SUVが次期CX-3と明らかにされた事だと思います。
生産終了するMAZDA2の実質後継モデルでもあるので期待と不安が入り混じるかもしれませんが、個人的にはVISION X-COMPACTのデザインや雰囲気もある程度反映される予感もしてるので今は楽しみの方が勝ってるかも・・・。
何となくVISION X-COMPACTのモデルカーのように、複数の内外装仕様が用意される気もするので。
まだまだ明かされて無い計画もあると思いますが、まずは今月予定されてる新型CX-5国内発売に注目しつつ、近い時期に新型ストロングハイブリッドや次期CX-3に関する詳細発表や技術説明会が行われる事も期待したいと思います。




令和6年能登半島地震災害・9月21日豪雨被害の義援金受付関連。
◎石川県公式HP
・地震災害用リンク(令和7年12月26日まで受付)
令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金の受付について | 石川県
・豪雨被害用リンク(令和7年3月31日まで受付)
・富山県公式HP(令和7年3月31日まで受付予定)
・新潟県公式HP(令和7年12月26日まで受付予定)




