あまり目立った動きが無い状況が続いているマツダの特許情報ですが、2年前に出願公開されていた興味深い内容が登録されています。
〇特許情報プラットフォーム
今週新たに登録されたのは2022年9月に出願公開されていた「車両の車体構造」という題名の内容。
☆2022年9月に取り上げたブログ記事
〇資料に記載されている特許の目的
従来より、車体に設けられたサスペンションタワー部材の上側頂部(以下、サスタワー頂部と表す)は、車両のサスペンション装置のダンパ機構を支持しているため、車体が、ダンパ機構を介した大きな荷重の入力により撓み変形することが知られている。
特に、車両旋回走行時、サスタワー頂部が上下変位することに起因して車体捩りモードが生じることから、車両の操安性や乗員の乗り心地が低下するおそれがある。(中略)
素材を変更することにより、捩れ変位によって振動減衰可能な機能を有するストラットタワーバーを形成し、固定部材を介してカウル部材に取り付けることが考えられる。
しかし、上下変位するカウル部材の前面に沿ってストラットタワーバーを配設した場合、ストラットタワーバーには、構造上、車体の膜振動モードにおいて捩れ変位ではなく曲げ変形しか生じないことから、自身の振動減衰機能を十分に発揮することができない。
即ち、カウル部材のような曲げ入力場であっても振動減衰機能を発揮可能な連結部材を確保することは容易ではない。本発明の目的は、入力場に拘りなく振動減衰機能を発揮可能な車両の車体構造等を提供することである。
こちらは炭素繊維強化樹脂(CFRP=カーボン)素材を使用したストラットタワーバーに関する特許ですが、説明図で描かれている車両がどう見てもロードスター(笑)
CFRPを使用するのは軽量化だけでなく剛性や振動特性を進化させることも目的としているようです。
資料で説明されている部位ごとの仕様素材を色で表すと・・・・。
ちなみに、車体後方へ迂回する形状のストラットタワーバーはNCロードスターから純正採用されていますが、マツダが発表しているアルミ材仕様部位説明図を見る限りだとに現行モデルのストラットタワーバーもスチール製と思われます。
仮にストラットタワーバーをCFRP製にアップグレードすれば走りの進化だけでなく軽量化にも貢献しそうですが、昨年登場した大幅商品改良モデルは特に変更が無く、市販化に向けて開発中の「MAZDA SPIRIT RACING RS concept」もCFRP製では無さそうな状況・・・。
大阪オートメッセ2024で「MAZDA SPIRIT RACINGのコンセプトカー」をチェックしてきました。 - つらつらとMAZDA
ただ、マツダはすでにCFRP素材採用を視野に入れた特許を複数出願している事に加えて、スーパー耐久シリーズ参戦車両「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」のボンネットとルーフにCFRPと天然繊維を使ったハイブリッド素材を採用している事から、CFRP素材を次世代の量産車へ採用する事も考えてるはず・・・。
※追記・訂正
Twitterでご指摘いただいたので再度確認するとマツダの量産車ではRX-8のプロペラシャフトでCFRP素材の採用例がありました。
https://www.mazda.com/contentassets/270ed9613f9247c193711ced2baec076/files/2003_no015.pdf
まだまだ特許段階とは思いますが、電動化が進むにつれて軽量化はより重要になるはずなので今後の動向に注目ですね。
☆「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」」のボンネットとルーフはCFRPと天然繊維を使ったハイブリッド素材。
令和6年能登半島地震災害・9月21日大雨被害の義援金受付関連。
・石川県公式HP(令和6年12月27日まで受付予定)
令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金の受付について | 石川県
※9月21日に発生した大雨被害についての義援金は後日案内予定との事。
・富山県公式HP(令和6年12月27日まで受付予定)
・新潟県公式HP(令和6年12月27日まで受付予定)