2019年末頃から次世代スポーツカーを意識したマツダの特許出願が定期的に公開されてきていますが、欧州でトランスアクスルに関する特許が新たに出願されてる事が明らかになりました。
マツダに関する特許情報では2019年末頃から「アルミ製スペースフレーム」「3ローターエンジン」など次世代スポーツカーとの関係性が深そうな内容が定期的に公開されており、このブログでも取り上げてきました。
(一例)
内容自体もかなり具体的なのでロータリースポーツ復活への期待も高まりますが、今回マツダが欧州で「スポーツカー用と思われるトランスアクスル」に関する特許が出願されてる事が明らかになりました。
今回取り上げるのは「欧州特許庁」のデータベースに登録されたこちらの内容。
〇特許番号:EP3964379A1
〇資料に記載されている特許の目的(自動翻訳)
スポーツタイプのFR車両において、前後重量バランス最適化のために車体前部にエンジン等の駆動源、車体後部のドライブシャフト近くに縦置き式の変速機を配置する場合がある(トランスアクスル)
この場合、駆動源からプロペラシャフトを介して変速機に動力が伝達され、変速機から車体後方部に配置されたデファレンシャルギア及びドライブシャフトを介して車体後方部に配置された駆動輪に動力が伝達されることになる。
この車両において、車体後部に配置された変速機がドライブシャフトの車両前方側に配置されている場合、車室空間が狭くなり、乗員の快適性が低下するおそれがある。
このため、ドライブシャフトの車両後方側に変速機を配置することも考えられるが、車両後方側の張り出しが大きくなり、操縦安定性が低下するおそれがある。
そこで、本発明の目的は縦置き型の変速機を含む車両において、変速機を車体後部のドライブシャフト近くに配置する場合に、乗員の居住性と操縦安定性とを両立させることにある。
1枚目の説明図に加えて説明にも"スポーツタイプのFR車"というフレーズが出てくるので次世代スポーツカーを意識した特許の可能性がかなり高いですね。
「トランスアクスル」とはトランスミッションとデファレンシャルギアを一体化させた装置。
運動性能に大きな影響がある前後重量バランスを最適化出来る一方、コストや居住性のハードルが高いのでほぼ高性能スポーツカーで採用されています。
今年初めに公開された次世代ロータリースポーツカーと思われるマツダの特許出願でもトランスアクスルを前提とした内容だったので関連性はかなり強いと思われます。
(一例)
これまでマツダのスポーツカーはエンジンとトランスミッションをホイールベース内側へ搭載する「フロントミッドシップ」を採用してきましたが、トランスアクスルを視野に入れてる理由として考えられるのはマツダが重要視している「最適なドライビングポジションの実現」
現在販売されているマツダ車で唯一のFR車「NDロードスター」も外見がツルツルのマニュアルトランスミッションを新開発する等ドライビングポジションにかなり気を配られていますが、触媒を設置するスペースの関係から右ハンドル車の場合は床の一部分が出っ張っています。
先日発表されたラージ商品群第一弾モデル「CX-60」で新たに採用される新開発の8速ATも理想的なドライビングポジションを実現させるために小型化されてるとの事なので、おそらく次世代のロータリースポーツでも重量配分と理想的なドライビングポジションの両立を目指してFRのトランスアクスルを視野に入れてるのかもしれません。
FRスポーツだと次期ロードスターも頭に浮かびますが、歴代モデルで継承されている"アフォーダブル"という面から考えると採用するのはややハードルが高いでしょうか・・・?
いつも通り"あくまで特許"ではありますが、次世代スポーツカーを視野に入れてそうな特許が定期的に出てきてるのでどうしても期待は膨らみますよね・・・。
今回の特許出願はいずれ日本でも公開される可能性があるのでその時は改めて内容をチェックしたいと思います。