CX-60を皮切りに市場導入されるマツダのラージ群アーキテクチャーは当初の予定より1年導入が遅くなっていますが、この理由に関して詳しく取り上げている記事が出てきました。
ラージ群アーキテクチャーに関しては2019年5月に発表された「2019年3月期 通期決算」においてFRベースで直6エンジンも採用する事が初公表されたものの、わずか半年後に行われた「2022年3月期 第2四半期決算」で導入を約1年遅らせると発表。
池田直渡さんによる藤原副社長へのインタビューによると「MX-30 EVモデル開発を通じて得たバッテリーに関する知見をラージ商品群のPHEVへ採用する必要が出てきた」のが遅れる理由との事でした。
そしてようやくCX-60日本仕様とプロトタイプが初公開されたこのタイミングで導入が遅れた理由について関係者へ取材している記事があったので紹介したいと思います。
今回取り上げるのは「日経クロステック」の記事。
ラージ群アーキテクチャーの開発費を大幅に削減できた理由を中心に執行役員の松本弘幸さんへ取材している内容ですが、その中で導入が遅れた理由について触れられています。
・当初、ラージ群アーキテクチャーは荷室下にバッテリーを搭載する事を前提にして、クルマの中央付近(キャビン)のアンダーボディーは骨格を真っすぐに通していた。
しかし、より大容量のバッテリーを搭載する事を考えて車体の中心の床下に置くべきだとなった。
・より大容量の電池を搭載できるようになる事に加えて重量物を車両中心に置けるので、慣性質量が小さくなり4輪の力を遅れなく曲がる運動に変換できるようになるという利点もある。
従来であればバッテリーの搭載位置が変われば設計は最初からやり直しだが、MBD(モデルベース開発)によって床下に搭載した場合に最適となる骨格の通し方をモデル上で全部設計できたので遅れを1年にとどめられたと捉えている。
バッテリー容量を増やすのが理由というのはある程度予想していたのですが、バッテリー搭載位置自体も違ってたというのは少し予想外でした。
搭載位置自体を変える大幅な設計変更にも関わらず1年程度の遅れで済んでいるのは、マツダが強みとしているMBDが大きく貢献していると言えますね。
確かに荷室下よりも車体中心の床下にバッテリーを搭載したほうが運動性能が向上して良さそうですが、個人的には床下にバッテリーを搭載した事でSUVより車高が低くなるセダン系モデルを生み出すハードルが高くなった?という勝手な想像も膨らんでしまうのですが・・・。
MAZDA6の次期型や後継モデルに関する情報が中々出てこないので、これに関しても実際はどうなのか気になるところですね・・・。