マツダの新たな基幹車種となっていくであろうCX-30。
この車のチーフデザイナーである柳澤亮さんを特集した記事があったので取り上げます。
今回見つけた記事はオーストラリアメディア「Chasing Cars」に掲載。
CX-30のデザインに関する記事はすでにたくさん出ているので今回は柳澤さんのルーツ等に注目してピックアップします。
まず最初に柳澤さんがこれまでチーフデザイナーとして担当したマツダ車の紹介から・・・。
CX-30以外にも現行MAZDA2(デミオ)とBT-50のチーフデザイナーを担当。
BT-50のチーフデザイナー時代にはオーストラリア・メルボルンに出向してデザインを纏めたそうです。
2016年からCX-30のチーフデザイナーを担当。
現在の愛車はRX-8だそうです♪
そんな柳澤さんが自動車デザイナーを目指すきっかけになったのは子供の時の体験から。
私が子供の時にスーパーカーブームがありました。
当時の子供の間では”ランボルギーニ・カウンタック”や”フェラーリ・テスタロッサ”が人気でしたが、僕は特にテスタロッサが好きだったのでこんな車をデザインしたいと思っていました。
NDロードスターのチーフデザイナーである中山さんもデザインの話をされるときにランボルギーニ・ミウラやカウンタックの話をよくされる印象なので現在のマツダデザイン部門のスタッフさんもスーパーカーブームの影響を色濃く受けてる方が多いかもしれませんね。
柳澤さんはその後デザイナーを目指して多摩美術大学へ入学。
大学では人間中心のデザイン哲学と視覚的センスが融合したアイデアに最も興味があったとの事。
建築構造は私の仕事に直接影響しませんが、学生時代にバウハウスについて学びました。
建築のような非常に緊張感があるものが好きです。
バウハウスの考え方はドイツらしい”シンプルで機能に基づいたデザイン”
現在のマツダデザインが取り組む”引き算の美学”にも似た考え方です。
大学卒業後、1991年にマツダに入社。
プレマシーなど様々な量産車のインテリアデザインを手がけた後にBT-50で初めてチーフデザイナーを担当されています。
ちなみに、現行MAZDA2(デミオ)のコンセプトカー"HAZUMI”が登場した時のインタビュー記事によると「インテリア畑出身のチーフデザイナーは珍しい」との事。
まもなく登場すると噂の次期BT-50のデザインに関しても話されてます。
それぞれの車種ごとに表現方法は考えないといけませんが、魂動デザインの最新の考え方を広く適用する事は可能だと思います。
次期BT-50はいすゞD-MAXをベースにマツダ独自のデザインを採用すると言われています。
どこまで魂動デザインが反映されるのか楽しみですね。
最後にマツダデザインについて。
くっきりしたプレスラインを使うことは理解しやすいものです。
私たちがしていることは、そのような鮮明な線を使用することなく何らかの形で芸術の美しさを表現すること。
その美しさを理解するのは難しいかもしれませんが、私たちはこれらの基本的なプロポーションを使用してその本質を表現しようとしています。
車のカテゴリは関係ありません。このデザイン手法はプロポーションの美しさの点で永続的なものです。
マツダデザインが目指しているのは”ドイツ=バウハウス”のようなマツダ独自のデザイン様式を創ることでバウハウス等の欧州的なデザインは目指していないだろうと思っています。
それはマツダデザインの方々が”余白” ”移ろい”など日本固有な言葉で話されてる機会が多い事からも分かるかと思います。
マツダのデザインを評価する時に「欧州車のようなデザイン」では無く「これぞマツダ(日本)のデザイン」となる事が当面のゴールかもしれません。
柳澤さんやマツダデザインチームが生み出すこれからのマツダ車にも期待したいと思います♪
CX-30のエクステリアを担当した岩内さんがプレゼンしたトークセッションの内容もあるのでよろしければどうぞ。