つらつらとMAZDA

マツダに関する備忘録的ブログ。

北米マツダ社長が新型コロナウイルスによる影響や今後の展望について語る。

北米マツダの社長であるJeffrey H. Guyton氏が現地メディアの取材に対応。

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(画像 MAZDA USA)

北米事業の進行状況や新型コロナウイルスによる影響などを語っているので取り上げていきます。

 

 

今回Jeffrey H. Guyton氏への取材記事を掲載したのは「Autonews.com」

 

掲載記事はQ&A形式で掲載されています。

 

 

Q1:あなたが北米事業を引き継いでから変化した点はありますか?

3つの大きな領域がありますが、私が引き継いでから実施された点とすでに実施中だった内容があります。

 

まずはアメリカ国内の店舗を新世代店舗へ刷新していく事を主にしているリテールエボリューションプログラム。

プログラム開始後、毎月6~8店舗がオープンしていて現在128の新世代店舗が営業中。

4月のデータでは売り上げの3分の1以上が新世代店舗によるものでロイヤリティーもはるかに優れています。

 

2つ目は新世代車種であるMAZDA3とCX-30。

どちらもメディアや購入者から高い評価を得ていて、ワールドカーオブザイヤーにもノミネートしました。

さらに昨年はCX-9CX-5CX-3の販売実績も過去最高で製品ポートフォリオも改善されています。

 

3つ目は自分の哲学を取り入れた事です。

私は企業文化が業績に強く影響すると考えています。

お客様や販売店、そしてオフィスで働くスタッフ等と対話を重ねる事に時間を費やしてきました。

 

Q2:”マツダプレミアム”の実現へ向けて来年はどうなりますか?

リテールエボリューションプログラムは継続中で2021年末までに200前後の新世代店舗が稼働する予定です。

車両に関して私たちは特にパワートレインの選択肢を広げています。

MAZDA3のセグメントは急激な需要減少を続けていて、5年前の約半分以下になっています。

したがって、より多くの”プレミアムインテンダー”を獲得するためのラインナップ拡大を実施していきます。

 

Q3:CX-30の販売状況はどうですか?

非常に順調な実績を記録していてユーザーからも好評なので着実に台数を重ねていくと思います。

発売開始直後の1月2月は記録的な実績をあげていましたが、すぐに新型コロナウイルスの影響を受けたのは不運でした。

5月は前年比ほぼ同等の販売実績まで回復しましたが、CX-30の販売が大きく回復したのも要因です。

 

Q4:マツダはFRプラットフォームや直6エンジンを開発中と伝えられていますが、クロスオーバーやハイブリッドになるのでしょうか?

私たちは確かにこれらのテクノロジーを異なるセグメントや異なるパワートレインと組み合わせることができます。

お客様が望むものに対応するために、ポートフォリオ全体または市場全体である程度の電動化が確実に見られるでしょう。

 

Q5:新型コロナウイルスによる影響がどれだけ続くと考えていますか?

欧州は徐々に回復していますがアメリカ国内での回復はまた異なる事になると思います。

ワクチンが効果的で広く入手可能になるまで、日常生活の中で多くのことが異なる形になると考えられます。

ただ、人々はまだ新しい車や中古車を購入しようとしているのでそれを手に入れるためのタッチレスな方法、それを手に入れるための安全な方法を求めるでしょう。

 私が心配しているのはワクチンが手に入るまでに感染の第2波が来ることです。

そして多くの失業者が早く仕事へ復帰できることを祈っています。

 

Q6:昨年度の決算が厳しい内容でしたが、今後の計画への影響は?

計画自体に大きな変化はありませんが、方法やタイミングはいくつか変更される可能性もあります。

 アメリカ国内で見ると、南部の湾岸地域でのビジネスは前年比で大幅に増加、対して北東部はオンライン注文中心という事もあって落ち込んでいるので全体としては横ばいです。

ただし、アメリカ国内全体で均一ではないので各都市・各ディーラーの状況を注意深く見守らないといけません。

 

Q7:新型コロナウイルスによる販売店への影響や統合に関しては?

アメリカ国内全体のマツダ売店は3年前は約650店舗ほどでしたが現在は560ほどになっていますが、ネットワークの縮小ではありません。

私たちは販売店へ連絡を毎週行うとともに、デジタル販売ツールを提供して自宅から車を購入可能にしました。

さらに認定中古車向けの魅力的なファイナンスプログラム(支払い開始を3か月遅らせる事が可能)も実施しました。

 

Q8:マツダは政府へどのような景気対策を望みますか?

どのような対策内容だったとしても顧客が理解しやすいだけでなく、販売店スタッフも説明がしやすいシンプルな内容を求めます。

 

Q9:マツダトヨタの提携によってどのような成果が出ていますか?

金融サービス面でトヨタモータークレジットコーポレーション傘下でマツダファイナンシャルサービスを共同で設立しました。

トヨタは金融サービス事業を成長させる事ができ、マツダは販売現場のさらなる充実が実現します。

 

Q10:現在アラバマに建設中の新工場で車を共同開発する事は可能ですか?

将来の可能性はゼロではありませんが、製造予定の車種はそれぞれ独自開発で全く別の車種です。

現在、EVのアーキテクチャーやコネクティッド分野を共同開発していますが他の車種に関して現在動きはありません。

 

リンク先に書かれている内容は以上になります。

北米仕様のMAZDA3は高価格帯が想定以上売れてる反面、普及価格帯が想定を下回ってる状況ですがやはりCセグメントセダン・ハッチバック自体の需要低下も影響しているようです。

「パワートレインの範囲を広げる」という証言通り、ターボエンジン搭載車が追加される可能性が高い事を先日のブログで取り上げましたが、想定以上に売れている高価格帯を充実させて台数ではなく付加価値で勝負をしていく戦略の一環だと思われます。

 

さらに、アメリカ国内で新型コロナウイルスによる影響からオンラインによる車両販売が実施されているようですが、これは日本国内でも強化を検討している事が公表されています。

ワクチン接種が一般的になるまでオンラインによる車両販売が多くを占めていく可能性もありそうです。

 

5月はほぼ前年と同様の販売実績を記録しているのでここから出来る範囲で巻き返していって欲しいところですね。