昨年11月に正式発表されたMAZDA3商品改良モデルですが、SKYACTIV-Xを中心とする改良内容について担当エンジニアがインタビューに答えている動画が公開されています。
合わせて注目度の高い既存オーナー向けのアップデートに関する情報もまとめてみました。
今回取り上げるのはモータージャーナリストである清水和夫さんが中心となって運営されている「StartYourEngines」のYouTubeチャンネル。
今回MAZDA3商品改良モデルに関する動画を3部構成で発信。
第1弾はモータージャーナリストの石井昌道さんによるSKYACTIV-X Spilit 1.1試乗レポートが1月29日に公開されていました。
これに続く第2弾と3弾で担当エンジニアが清水和夫さんからインタビューを受けているので順番にピックアップしていきます。
〇第2弾:執行役員 パワートレイン開発・統合制御システム開発担当である中井英二さん
〇SKYACTIV-Xについて
・初期Ver.は純粋に気持ちよく意のままに車と一体になれるところを狙ってキャリブレーション(調整)した
・Spilit 1.1ではアクセルを速く踏むところのレスポンスをよく部分を作り込んだ。
・さらにEGRの精度も高めてSPCCIの実力向上を実施。
・SKYACTIV-Gと比べて約2倍調整できるポイント(コントロールバルブ・燃料噴射回数・バルブタイミング・高応答エアサプライ etc・・・)があるのでコントロール精度を上げていけば明るい希望が期待できる。
・人間がキャリブレーションするのに限界も出てくる領域まで来たのでAIの活用も考えた準備を進めている。
SKYACTIVのエンジン開発でモデルベース開発(MBD)やCAEが活用された話を耳にした方も多いかもしれませんが、SKYACTIV-Xの開発でも必要不可欠な要素でした。
今後のSKYACTIV-Xアップデートやさらに次の世代のエンジン開発ではAIが活用されていく可能性もありそうです。
〇第3弾:MAZDA3開発主査である谷本智弘さんが出演。
〇MAZDA3の改良について。
・SKYACTIV-X搭載モデルはリーンバーン燃焼によって自分で車を操る事を楽しめる車になっているが、このような部分を理解してもらえるような試乗コースを提案するなどの訴求をしっかりとしなければならないという課題はまだ残ってると思います。
・シャシーは今のところグレードによって差別化していないが、GVCの制御を生かして変えるという方法は出来なくは無いと考えている。
そして多くの方が注目している「SKYACTIV-Xの既存オーナー向けアップデート」については・・・。
・SKYACTIV-X初期Ver.を購入していただいたオーナーさんへの感謝を込めて無償で提供する事を検討している。
・新たに開始された「特定改造等の許可制度」の中で実施出来るか検討している。
・アップデートできる領域が増えてきたので今後は無償 or 有償なのか検討していかなければいけない。
先日ブログで取り上げた島下泰久さんの動画では無事に認可を取得したとなっていたのに対して今回の動画内ではまだ検討中との回答・・・・。
ただ、今回公開された3本の動画をよく見ると。
・石井昌道さんの試乗動画は”美祢試験場”で撮影されている。
・第3弾の動画内で清水和夫さんが「”年明け早々”くらいに出てくるレクサスのモデルもある一定のアップデートは可能という事がHPに書かれている」 と発言。
美祢試験場でのメディア向け試乗会は昨年10月頃に実施。
MAZDA3 SKYACTIV-X搭載車の改良情報が公開、既存ユーザーへの無償アップデートも検討中 - つらつらとMAZDA
そして清水和夫さんが発言しているレクサスのモデルは「新型LS・ Advanced Drive搭載車」の事で間違いないかと思います。
これらの点から今回公開された3本の動画は「昨年末までに収録された内容」であることがほぼ確実。
これに対して、アップデートの認証が取得出来たという発言をしていた島下泰久さんの動画は今年1月に実施された公道試乗会で収録されていて「近日中」や「CTSとMRCCのアップデートも検討中」という踏み込んだ発言も行われています。
さらに、本日2月1日にCarWatchが公開した日下部保雄さんによる試乗インプレ記事でもこのような記述が・・・。
マツダでは従来のMAZDA3においても近い将来アップデート・キットを用意すると発表した。
価格や時期はまだはっきりとしていないが、サスペンションなどのハードの部分は除いて、MAZDA3のオーナーは制御面でこの恩恵に浴することができる。
昨年12月に法律が変わり日本でも正式にアップデートが可能になったため対応できるようになった。
このような内容となっているのですでにアップデートキット提供へ動いていると見る事が出来ます。
既存オーナー向けのアップデートに関しては島下泰久さんが公開した動画とCarWatchの記事が最も最新の情報と言えそうです。
ただ、ほぼ同時期に異なる内容の記事・動画が錯綜しているのでマツダから早めにアナウンスが行われる事を期待したいですね。