英国マツダが先日発表したMAZDA2 2022年モデルですが、他の欧州地域でも徐々に正式発表が本格化し始めています。
英国マツダが発表した内容を先日取り上げた記事。
日本仕様とほぼ同じ改良が実施されましたが、その中でもSKYACTIV-G 1.5の圧縮比が日本仕様よりさらに高い”15”まで向上している点が大きな注目ポイントでした。
これに続いて複数の欧州法人もMAZDA2 2022年モデルを正式発表。
基本的な改良内容は英国仕様と同じですが、いくつか異なる部分を中心にピックアップしていきます。
〇オーストリア
ポイント①:「特別仕様車”HOMURA”新設定」
(日本仕様の”Black Tone Edition”と同じ内外装)
ポイント②:SKYACTIV-G 1.5はマイルドハイブリッド付きの115ps仕様を新設定、既存の75ps・90ps仕様(6MT)はマイルドハイブリッド無しに変更。
加えて、90ps仕様にAT車追加(欧州向けのAT車は元々マイルドハイブリッド無し)
英国仕様と同様に圧縮比は全て15に高められていますが、マイルドハイブリッドを採用するのは新設定の115ps仕様のみに。
これについては他の地域でも同様の例があるので後ほど理由を紹介します。
〇ハンガリー
改良内容や特別仕様車”HOMURA”設定はオーストリアと同様ですが、エンジンラインナップは少し異なります。
〇SKYACTIV-G 1.5
・75ps仕様+6MT(マイルドハイブリッド無しに変更)
・90ps仕様+6MT(マイルドハイブリッド有りに加えて無しも設定)
・90ps仕様+6AT(これまでと同様にマイルドハイブリッド無し)
・115ps仕様+6MT(新設定・マイルドハイブリッド有り)
〇ルーマニア(スペック表だけ2021年モデルと誤記されてます)
〇SKYACTIV-G 1.5
・75ps仕様+6MT
・90ps仕様+6MT
・90ps仕様+6AT
全てマイルドハイブリッド無しに変更、115ps仕様は設定無し。
ルーマニアではついに全てのパワートレインがマイルドハイブリッド無しに変更。
電動デバイス採用車がどんどん増えている中で思い切った方向性です。
〇オランダ
VERNIEUWDE MAZDA 2 NU NOG RIJKER EN EFFICIENTER
他の地域では”HOMURA”と名付けられた新しい特別仕様車は「Sportive」という名称(日本仕様の”Black Tone Edition”と同じ内外装)
パワートレイン設定はルーマニアと同じです。
2021年モデルでは全てのMT車でマイルドハイブリッドが採用されていた欧州向けのMAZDA2ですが、今回触れた通り各地域でマイルドハイブリッド無しのパワートレインが復活しています。
この理由についてオランダの自動車メディア「Auto Week」の記事内で触れられれています。
オランダ向けのMAZDA2 2022年モデルでマイルドハイブリッドが無しになった理由はSKYACTIV-G 1.5の圧縮比を15にまで高めた事が関係している。
売れ筋の90ps仕様(6MT)で比較すると、マイルドハイブリッド有りの2021年モデルでCO2排出量は「120g/km(WLTP)」だったが、新しい2022年モデルはマイルドハイブリッド無しで「109g/km(WLTP)」を達成。
さらに製造コスト低減や軽量化も進む事によって車両本体価格を上げずに標準装備を充実させる事が出来る点からオランダ向けのMAZDA2はマイルドハイブリッド無しになった。
2021年モデルと2022年モデル両方のスペック表が現在もチェック出来るオーストリア仕様で比較すると・・・。
圧縮比(赤枠)が15にまで高められた事によってマイルドハイブリッド無しでもCO2排出量(緑枠)が大幅に低減されている事が確認できますね。
ここ最近ハイブリッド車がほぼ当たり前になってきた中で、圧縮比を上げる事によって電動デバイス無しでも環境性能を大幅に向上させるのはマツダがSKYACTIVテクノロジーを発表した時から示してきた方向性です。
マツダは今後欧州でヤリスHVのOEMモデルを販売予定なのでこのモデルとの差別化も考慮したうえで今回の改良が行われている可能性も考えられますが、欧州向けのMAZDA2 2022年モデルは「SKYACTIVの本領が最も発揮されている一例なのでは?」という印象を持ちました。
MAZDA2 2022年モデルはこれから他の欧州各国でも順次発表されていくと思われるのでまた何か注目ポイントがあれば取り上げていきたいと思います。